2012年のマイ・ベスト10企画。
映画編に続いて、今回と次回はライブ編。


今回は「僕の選んだ2012年・邦楽ライブ・ベスト10」です。


映画以上にこれはもう完全に自分の好みの反映でしかなく。
観たそのときの印象の強さが全てであり、そのときにどれだけ心が震えたか、その度合いで順位づけたもの。

そういう基準で振り返ってみたのだけど、上位の3本はどれもよすぎてど~~しても順位づけすることができず、悩んだ末に同率1位ってことにした。


では。



1位: チャラン・ポ・ランタン 10月27日 青山CAY


1位: ザ・たこさん 12月15日 大阪・十三クラブウォーター


1位: 田我流 8月30日 渋谷WWW


4位: 阿部芙蓉美 5月24日 渋谷PLEASURE PLEASURE


5位: 仲井戸“CHABO”麗市×石橋凌 8月21日 南青山MANDALA


6位: 夜のストレンジャーズ 10月21日 新宿レッドクロス


7位: ボアダムス(TAICO CLUB) 6月2日 長野県木曽郡木祖村「こだまの森」


8位: The Birthday 12月19日 日本武道館


9位: Superfly 7月12日 ZEPPダイバーシティ東京


10位: the day(ライジングサンロックフェスティバル) 8月11日 北海道石狩湾新港樽川埠頭横野外特設ステージ…RED STAR FIELD



チャラン・ポ・ランタン、ザ・たこさん、田我流、阿部芙蓉美、夜のストレンジャーズ、The Birthdayは2012年だけでも複数回観たが、ここで選んだのはいずれもワンマン。
Superflyは複数回観たなかからファンクラブツアーの2日目を選んだ。


2012年、もっとも回数多く観たのはチャラン・ポ・ランタンのライブで、数えてないがざっと10数回。
そのなかでも約2年ぶりのアルバム『つがいの歯車』のレコ発ライブとして青山CAYで行なわれた「私立・チャランポ学園の奇々怪CAYな運動CAY」はとりわけ感動的で忘れられないものとなった。


何年かしてふたりのキャリアを振り返ったときにも、あのライブは単なる通過点以上の意味を持つようなもの。
ここにきてメキメキ動員を増やしているチャランポ(2月のワンマンは秒速で売り切れた模様)だが、2年近く前から彼女たちのライブを観てきた者の感覚として、いろんな意味であの日がひとつの境目になったという印象がある。
少なくとも僕のなかでは、あの日のライブを観て彼女たちの捉え方がある意味で変わった…というか、思い入れ方がそれまでよりも大きくなった。
もともとこの姉妹はすごいと思ってライブを追うようになったわけだが、あのライブを観て、自分が思っていたよりもはるかに巨大なポテンシャルがふたりにあることを思い知らされた。


「酔って帰宅なう。チャランポの今回のワンマン、観た人は観なかった人に5年経っても自慢できるようなものだったと思う。」


ライブ終了後、ライター仲間らと呑みながらそのライブの印象を熱く語り合い、酔っ払って帰って僕はそうツイートしたのだが、いま思い返してもあれはそういうものだったと思う。

以下は翌日のツイート。


「チャラン・ポ・ランタンat青山CAY。驚くほどの観客の数とふたりの世界観に寄りそった開演前のSEで既に伝説の夜になりそうな予感はあった。そして長く濃いドラマの幕開けに選ばれた「空中ブランコ乗りのマリー」のももちゃんの曲への入り込み方で早くもただならぬものが感じられたわけだが…。」


「続き) 引き締まった4人編成の音&歌表現及び曲の核心を露わに伝える基本のデュオ表現で“聴かせた”1部。カンカンバルカンとの華やいだ表現で沸かせた2部。3つの形態で持ち味の全てを出し惜しみなく表わした昨日のチャランポ、その曲の振り分けと構成力がまず素晴らしく、ワンマンは特別だなと。」


「続き)昨日のチャランポ。そのように形態を変えつつ見事な構成でショーを組み立てたことでアングラっぽさと華やかさ、毒と笑い、死の匂いと生命の躍動といった普通なら相反するもののユニークな同居がいつも以上に際立ち、一遍の映画のような観応えがあった。あれが映画ならもう一度頭から観返したい。」


「続き)昨日のチャランポ。『つがいの歯車』レコ発ワンマンながらも早くも新作の完成と発売日が伝えられ(タイトルは『たがいの鍵穴』。なんといやらしい)、そこからの新曲も多めに披露。そこにも入らないさらなる新曲「みきちゃんの目玉焼き」が哀しくて、聴きながらやばかったですぼく。」


「続き) バンドやアーティストにはいきなり飛躍して次のステージへとポンとあがる瞬間というものがある。チャランポの昨日はそういう日。噂が噂を呼び、内容のよさと動員数が合い、景色がブワッと広がる感覚。古い譬えでアレだが、そういう意味で僕はRCが久保講堂でやった日を思い出したりもした。」


「続き) 昨夜の青山CAYは結果として実にチャランポに相応しい場所だったわけだが、今後ハコがもっと大きくなろうともふたりのあの世界観が不鮮明になるようなことはないことも確信できた。いつかサーカス小屋とかでふたりのライブを観てみたい。」


「チャランポ、昨夜ラストの曲は「今日のさよなら」っていうのかぁ。あのときまさに目の前で唄ってたももちゃんと、向き合って弾いていた1~2メートル先の小春はんのふたりのあの表情がいまもまだ目に焼きついちゃってんだよなぁ、困ったことに。」



ザ・たこさんはご存知の通り(笑)、僕が日本で一番好きな大阪のバンドで、東京に来てくれる限りは必ずライブに足を運んでいるわけだが。
大阪・十三クラブウォーターでの恒例「元祖タコサンアワー」は、年に1度の投げ銭による長尺ワンマン・ライブ。
1時間前後の普段のライブと違って、ここでは新旧の曲をとり混ぜ、タップリ2時間半以上も演奏するのだ。
なのでわざわざ大阪まで足を運ぶわけだが、今回もやりにやったり2時間45分!

ファンクたるもの長時間で体感してこそ…という側面は絶対的にあるわけで、やはり1時間前後のライブでは味わえない独特の“くどさ”が大きな満足感へと繋がった。


また、ザ・たこさん応援ブログ「たこ汁」にも書いたが、観ているそのときはもちろんのこと、今回は終わって数日経ってからもジワジワ効いてくるものがあって。
しばらく経ってからも「しかしあのライブはすごかったな…、あんなライブができるバンドなんて日本にほかにいないよな…」と、僕はふとしたときに思い出したりしていたのだった。


この日のレポはこちらを。

http://takosoup.blog72.fc2.com/blog-entry-65.html



それからもうひとつ。
田我流の東京初のワンマン・ライブ「B級ツアー 日本編」も忘れられない。
あの日の彼の最高の笑顔はいまもハッキリ目に焼き付いているし、最後に感極まって涙したときにはこっちも(多くの観客も)もらい泣きしたものだ。
何しろその熱量はとてつもなく。
パーティーのりからシリアスかつダークな場面まで、まるで大きな物語を見せるような構成も素晴らしかった。
ヒップホップ・アーティストとしての実力と構成力、それと何より彼まるごとの人間力。
ぼくが過去に観てきたヒップホップのライブのなかでも、あれほど揺さぶられたものはない。


この公演のレポはこちらを。

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-11344187037.html



アルバム『沈黙の恋人』が素晴らしかった阿部芙蓉美のワンマンは、静かながらジワッと沁み入る部分が多く、終わってしばらく席を立てない感覚になった。


その夜の感想ツイート。
「阿部芙蓉美at渋谷PLEASURE PLEASURE。新作『沈黙の恋人』全曲に旧曲を織り交ぜた約2時間。どの曲も沁みたが、1曲選ぶならやはり「希望のうた」だろう。3・11以降のあらゆる歌の中で「いまは希望のうたをうたわなくていいよ」と歌われるこの曲ほど優しく、救いになる歌はない。」


石橋凌は1月14日の記念すべき初ソロ・ライブ(@東京キネマ倶楽部。→http://ameblo.jp/junjunpa/entry-11136590019.html )に感動し、3月30日にクラブクアトロで行なわれたイベント「青春ラプソディ」(→http://ameblo.jp/junjunpa/entry-11286771778.html )ではバンドのまとまりがさらに増していることを感じて嬉しくなったが、もっとも印象深く残っているのは、やはりMANDALAでのチャボとの共演ライブだ。


このライブのレポはこちらを。

http://musicshelf.jp/blog/selector/2012/08/soul-to-soul.html


新作『ホームタウンボーイ』がこれまた素晴らしかった夜のストレンジャーズもイベントなどで何度か観たが(去年はソロ含めて5~6回観たか)、やはりワンマンが最高だった。
ミウラさんは最初からというよりも徐々に発火するタイプの歌い手。
故に曲が進むうちにどんどん熱さが増し、2時間を超えたこのワンマンのなかでも特に中盤以降に何度かピークがきて、やはり1時間程度のイベントの持ち時間では得られない感覚を得た。


その夜の感想ツイート。
「夜のストレンジャーズ、ワンマンライブat新宿紅布。タップリ2時間と数10分。胸が熱くなりっぱなしだった。新作の曲と旧曲の混ざり具合もよく、聴きたかった曲はほぼ聴けた。大満足! こんなにも今の自分にフィットする曲を歌ってくれるバンド、そうはないよなあ。」


ボアダムスは、去年のTAICOCLUBのベストアクト。
6台のドラムやぐらが観客を取り囲むような形で繰り広げられたあの凄まじくも原初的なライブはいままで体感したことのない種類のものだった。


この日のレポはこちらを。

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-11268904695.html


The Birthdayの武道館公演は、(ツイートでも書いた通り)武道館だからこそのかっこよさ。


その夜の感想ツイート。

「The Birthday at武道館。クアトロだろうと苗場だろうと武道館だろうとThe Birthdayはハコの大小とか関係なくいつだっていつも通りにカッコイイのだ…とか思いながら観てたのは実は途中までで、後半は完全に武道館公演であるが故にかっこよかった。最高だったよ。」


「The Birthday at武道館。背後にときどき抽象的な映像が流れる以外は武道館だからといってとりたてて飾りや演出はなく、いつも通りシンプルなステージ。だが唯一後半の「なぜか今日は」で紙吹雪が噴射され、ただそれだけである故にその瞬間めちゃくちゃ昂揚した。」


Superflyは、『Force』を引っさげてのホールツアー(観たのは東京国際フォーラム・ホールA公演)も完成度が高くてよかったのだが、むしろ『Force』が出る前にそのアルバムの全曲を収録曲順通りに披露してみせたファンクラブツアー(特に2日目)のほうがより僕の脳裏に焼き付いている。
観客がまだ曲を知らない状態のライブでどれだけ熱く伝えられるか。志帆はそこに集中し、そしてそれに成功し、結果を出したのだ。
因みにこの日のこの公演がそのまま『Force』の初回限定盤に付いたライブ盤になった。


そのSuperflyもサプライズ的にゲストで出て「スローバラード」を歌ったのが、チャボや中村達也らで結成それた新バンド、the dayのデビュー・ステージであったライジング。
その後、the dayのライブは11月にクアトロでも観ることができたが、デビュー・ライブならではの鮮烈さとあの場所・あの時間帯ならではの特別感が重なったライジングのほうが演奏曲の並べ方含めてよかったし、熱もあった。


その日のレポはこちら。

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-11329936525.html


ライジングといえば、The Birthdayのチバと(元The Birthdayの)イマイと中村達也が期間限定で結成したTHE GOLDEN WET FINGERSもあの場所でしか感じることのできない熱があって最高だった。
因みにこのバンドは再始動して春にツアーをするそう。楽しみだ。


このバンドが出たライジング1日めのレポはこちら。

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-11329286981.html


ベテランでは、加奈崎芳太郎さんの魂のこもったステージ(@大森「風に吹かれて」)、久々のオールナイト公演で満身創痍で朝までやりきった泉谷しげる(@渋谷プレジャープレジャー)、それに相変わらず非の打ちどころがない山下達郎公演(@中野サンプラザ)がよかった。


泉谷しげるオールナイトライブのレポはこちら。

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-11339155560.html


一方、新人ではなんといっても指田郁也くん。
彼のステージもイベントなどで去年5~6回観て、ライブでこそ真価を発揮する素晴らしいアーティストだなと思ったものだ。
2013年の活躍にもっとも期待している歌手のひとりである。


ブログに残した指田くんのライブのレポはこちら。

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-11202193304.html


http://ameblo.jp/junjunpa/entry-11206065304.html


http://ameblo.jp/junjunpa/entry-11232864721.html


あとは七尾旅人も2011年に続いていろんなところで観た(6~7回観たかな)。
わけてもフルートの太田朱美さんと一緒にやったKAIKOO FESのステージがよかった。

ここでのステージと朝霧ジャムでのステージは特に彼自身が嬉しそうだったので印象に残っている。


KAIKOO FESのレポはこちら。

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-11231342394.html


また、出演者多数のイベントでは、佐藤タイジが中心となった12月の「THE SOLAR BUDOKAN」(@日本武道館)、それに僕が観た桑名正博さんの最後のライブにもなってしまった原田芳雄さんの追悼イベント「18th×4Birthday Live~風来去~」(@赤坂ブリッツ)、そして僕が観た松永孝義さんの最後のライブになってしまった「屋敷豪太50s Birthday Party」(@渋谷AX。ミュートビートの復活ステージにやられた!)も忘れ難いものだ。


「THE SOLAR BUDOKAN」の長文レポはこちら。

http://musicshelf.jp/?mode=static&html=special133/page4


原田芳雄「18th×4Birthday Live~風来去~」のレポはこちら。

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-11199484744.html


「屋敷豪太50s Birthday Party」のレポはこちら。

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-11178828987.html