今月に入って素晴らしい洋楽ライブを立て続けに観た。
少し時間が経ってしまったが、記憶を辿りながら備忘録として書き留めておきたい。
まずはこれから。



2月1日(水)


赤坂ブリッツで、フローレンス+ザ・マシーン。


向こうじゃあれほどの人気なので、恐らく即完になるだろう。
そう思って、チケットは売り出しと同時に獲った(抽選だったが、当たったときの嬉しかったこと)。

だが即完にはならず、直前までチケットは残っていたようだ。


最終的にはソールドアウトになったと聞いた。
が、会場に入ると、日本人客は3~4割程度。
6~7割はイギリス人、またはアメリカ人と思しき方々で、しかもその多くは女性客だった。
特に僕が陣取ったフロアの前のほうはほとんどイギリス人女性。
ロンドンのクラブにいるような錯覚に陥ったほど。


ということは、つまりあれだ、日本人の間ではまだ争奪戦になるほどの人気には至ってないということだ。
それはちょっと驚いてしまうことではあるけれど、しかし、だからこそブリッツぐらいの小さなハコで観ることが叶ったわけで。
しかも前のほうで間近に観れたのだから、それはもうラッキーなことこの上ない。

実際そのライブはといえば、例えばフジロックのグリーンステージが見合っているようなスケール感を伴ったものであり、それをブリッツのような小バコの前のほうで体感できたというのは、大袈裟じゃなく奇跡のようなことであった。


ピンクの長襦袢(あれは日本で調達したのだろうか?)をガウンのように羽織ったフローレンス・ウェルチは、美しかった。
オーラがあった。
あんなにもオーラの出ているアーティストを間近で観たのは、ずいぶん久しぶりのような気がする。


しかも、想像以上の声量だった。

雰囲気で味わわせるのではない。
フェイクもそんなない。
ま正面から迫力ある歌声で圧倒するタイプで、それはもう実に堂々たるものだった。
繊細さよりも、ダイナミクス。
声の芯が太く、どーん!と伝わってくるものだったのだ。
その上、高低のメリハリも効いている。


そして手をフワッと高くあげたり広げたり、カラダをしならせたりする様が、何やら神々しくもあり。
ミュージックマガジン誌では「魔女系」という括り方がされていたが、「魔女」というよりは「巫女」のよう。
(むしろキーボードの女性のほうが魔女っぽかったりした)


8人からなるバンド、ザ・マシーンの出す音はというと、原初的な生命感と重量感を持ったリズム隊に、流麗さを表現するハープとキーボード、その合わさりの具合がやはりCDで聴く以上に特徴的。
滑らかながらダイナミックで、火と水、月と太陽といったようなイメージを湧かせるものだった。


しかし、とてつもないオーラと歌唱で圧倒するばかりかというと、そうではなく、フローレンスは喋るとずいぶん親しみやすさを感じさせる女性だった。
歌っているときは神々しいのだが、喋るとフレンドリーで、可愛らしくさえあるのだ。
チケットが売れてなかったらどうしようかと思ってたのだけど、こんなにたくさんの人がいて喜んでくれて嬉しいわ、みたいなことをニコニコと本当に嬉しそうに話したりして……ああ、彼女は絶対に性格のいい人だわ、と僕は思ったりも。
そんなギャップもまたステキだった。


で、終盤はというと、華麗に振舞っていた前半とはうってかわり、リズムに合わせてくるくる回り、さらにピョンピョン飛び跳ねたりも。
しかも笑顔で。
その、思ってたよりずっと奔放で気持ちに正直な感じが、観ているこちらをも開放的にさせる。


結果、観ながら僕はとても幸せな気持ちになれた。
情念で暗く重く迫ってくるものの対極にある、生命力溢れるライブをフローレンスは見せる人だったのだ。


いや~、本当に素晴らしいライブだったな。

この開放感を、今度は山のなか、緑に囲まれた環境で体感したい。
そう、フジのグリーンかホワイトで。
(って、この前のフリート・フォクシーズでもそんなこと書いたっけな)


セレモニアルズ/フローレンス・アンド・ザ・マシーン

http://www.youtube.com/watch?v=WbN0nX61rIs&ob=av2e