ようやく年末進行のピークをこえたので、
1週間ちょっと経ってしまったけれど、
武道館で観たクラプトンとウィンウッドのことを書き留めておきたい。



12月10日(土)


日本武道館で、エリック・クラプトン&スティーヴ・ウィンウッド。


WOWOW番組などでしっかり予習して観に行った人も多かったようだが、
僕はといえば何の予習もしてなくて、
どのあたりの曲をやるのかもまったく知らず、
そもそも1部はクラプトン、2部はウィンウッド、最後は一緒にといった形式がとられるものだとばかり思ってた。
だから両者出ずっぱりといったあり方にまず「おお~」なんて思ったし、
交替でメインを取りつつ、互いに支え合ってるその図だけで、これはなかなか贅沢な見世物じゃわいと感じ入った。


とりわけクラプトンがウィンウッドを立てるその図がいい感じ。
ウィンウッドへのリスペクトがそこから伝わってきたし、
クラプトンは前でどんと主役を張るより、このくらいの控えめさが出てるときのほうがいい味を出すギタリストだと再確認もできた。


何をどうしてどのように展開していったかは今更なのでよしとして、
心に残ったことだけ書き留めておくと、
まずはプレイヤー全員のその安定感。
「上手い」ということがこんなにも「素晴らしい」に直結することなんだと、
当たり前のことながらも改めてそう思わせるバンドの演奏であった。


「上手い」はつまり、目立つということとは違っていて、
音数少なく控えめな中に滋味があるという、そんなプレイ。


その頂点にいるようなウィンウッドはキーボード7割・ギター3割くらいの配分で、
とりわけハモンドの音色のステキさたるや。
特に「Georgia on My Mind」のあの間奏、あの温かみ。
ただただうっとり。たまらぬ感じ。


一方クラプトン的ハイライトはやはりジミヘン「Voodoo Chile」。
気持ちの入り方に並々ならないものがあったような。


また「Gimme Some Lovin' 」が来た瞬間の、
まさに「キターっ!」と声に出したくなるあの感じも忘れ難いが、
そこでよかったのはキーボードのクリス・ステイントン。
なんとしびれるキーボードを弾いていたことか。


総じて、極上。
その言葉が相応しい演奏を味わいながら、
これもロックという音楽の成熟のさせ方のひとつなのだなと、
なんだか僕は感心していた。


それはもちろんクラシック音楽の価値観とは異なるものだが、
かといってそう遠くもない芸術表現だったりもするのかなと、
そうも思えるあり方で、
例えばストーンズみたいな形とはまったく違う高め方・残し方があるのを知った。


しかもそれは、
とてもモダンでもあった。


昔はクラプトンなんかを聴きながら、
「渋い!」なんてことをよく言ったものだが、
歳を重ねるほどに「渋さ」よりもむしろ「モダンさ」が現れ出てきてるのを感じながら、
そのかっこよさとか洒落感にちょびっと嫉妬した。


ちくしょー、このモダン親父め。
かっこいいじゃねぇか、このやろー。

僕と友達はそんな調子で、
飯田橋の焼き鳥屋に数時間。


上手い演奏・美味い焼き鳥。
いつにも増して酒がすすむのはこれ当然の一夜なり。