1月23日(土)
新宿ロフトで、「SHIGERU NAKANO 50TH ANNIVERSARY THE COVER SPECIAL」。
アナーキーの仲野茂(現在は主にSDRというバンドで活動)が今月50歳になり、それを祝う意味でのカヴァー・ライヴ。
22日の前夜祭を含め、3日間連続で行なわれた。
昨年11月には一足早く藤沼伸一の50歳記念ライヴが3日間行なわれ、僕は泉谷さんや憂歌団の木村さんがゲストで出た初日の吉祥寺ROCK JOINT GB公演を観に行った。
そのときの藤沼はステージ上でいろんな出演者たちから「伸一さん、50歳、おめでとうございます!」と言われ、そうやって祝われるのが苦手なようで、照れながら「うるせー」とか言ったりしてた。
ああ、らしいなぁと思った。
それとは対照的に今回の茂はみんなから祝われることが本当に嬉しそうで、自ら50歳をアピールしたりもしてた。
これもまた、らしいなぁと思った。
僕が観に行った土曜日の出演者は以下の通り。
☆OPENING ACT: アコギなSS(仲野茂+下山淳)
■仲野茂 (ANARCHY / SDR)
■PANTA (頭脳警察)
■山下久美子
■JILL (PERSONZ)
■花田裕之 (ROCK'N'ROLL GYPSIES / ex.THE ROOSTERS)
■稲田錠 (G.D.FLICKERS)
■武藤昭平 (勝手にしやがれ)
■KYONO (WAGDUG FUTURISTIC UNITY / THE MAD CUPSULE MARKETS)
■石坂マサヨ (ロリータ18号)
■下山淳 (ROCK'N'ROLL GYPSIES / ex.THE ROOSTERZ)
■藤沼伸一 (ANARCHY / REGINA)
■木暮"shake"武彦 (RED WARRIORS / Mt.デリシャス)
■内藤幸也 (ARB / SDR / Zi:LiE-YA)
■KASUGA (MOSQUITO SPIRAL / ex.LAUGHIN'NOSE)
■寺岡信芳 (ANARCHY / Groovin')
■渡邉貢 (PERSONZ)
■井上富雄 (ex.ROOSTERS)
■岡本雅彦 (アンジー / ザ・ダンス天国)
■EBI (UNICORN / ARB / SDR)
■ウエノコウジ (the HIATUS / ex.Thee michelle gun elephant)
■KEITH (ARB / Groovin')
■池畑潤二 (ROCK'N'ROLL GYPSIES / HEATWAVE / ex.THE ROOSTERS)
■小林高夫 (ex.ANARCHY)
■名越藤丸 (ANARCHY / SDR / ex.WRENCH)
ある時代から熱心に日本のロックを聴いてきたある世代にとって、非常に贅沢なメンツと言える。
僕もこのうちの半分以上はステージで何度も観てきた人だ。
上記の出演者がいろんな組み合わせでこの日だけのユニットを組み、洋邦問わずいろんなカヴァーを中心に大体3~4曲ずつ演奏する。
バンドの入れ替わりごとに休憩が入ったりはしたが、19時に開演して、終演は23時近く。
およそ4時間の長丁場だった。
が、退屈する場面などまったくなく、僕は大いに楽しんだ。
全部のユニットについて触れると長くなるし、記憶が曖昧なところも多分にあるので、やめとくが。
とりわけ印象に残った場面をいくつか簡単に。
まず、上記の出演者をざっと眺めて気付いた方もいるかと思うが。
仲野茂、藤沼伸一、寺岡信芳、小林高夫と、アナーキーのオリジナル・メンバーが4人。
それから花田裕之、下山淳、井上富雄、池畑潤二と、ルースターズのメンバーも4人。
茂の50歳記念ライヴなのだから、アナーキーのメンバーが揃うのはわかるが、そこにルースターズのメンバーがこうして集ったのはなかなかグッとくるところだった。
僕はどっちのライヴにもよく足を運んでいたものだったから。
因みにアナーキーもルースターズもメジャー・デビューは1980年。
ひとつの時代を共に駆け抜けた、ある意味での戦友といったような思いもそこにはあったりするのかもしれない。
そんなわけで、アナーキーの初期曲は当然だとしても、この日はルースターズの曲をけっこう多く聴けたのも嬉しかった。
まず茂と下山のアコースティック・ユニットであるアコギなSSが1曲目に選んだのは「フール・フォー・ユー」だったし、茂を中心にしたトリのユニット(茂+下山+井上+shake+武藤)は本編の最後に「恋をしようよ」を持ってきた。
ルースターズに対する自分なりの思いを表明しておきたい、といったような気持ちも茂のなかにはあったのかもしれない(と勝手に想像しておく)。
また、花田のユニット(花田+ウエノ+武藤)は「ガールフレンド」や「レザーブーツ」をやった。
初期ルースターズの影響下にあるミッシェルのウエノがここにいたのも意味の深い繋がりを感じるところだ。
茂と仲のいい石橋凌の不在が惜しまれたが、ARBのメンバーもキース、幸也、EBIと3人が出た(ARB曲はなかったが)。
パーソンズもJILLと渡邉貢のふたりがいた。
いい場面はいくつかあったが、やはり僕も含めて多くの観客がもっとも盛り上がったのは、藤沼伸一、寺岡信芳、小林高夫と、アナーキーのオリジナル・メンバーが揃った中盤のユニットだろう。
そこでは稲田錠とKYONOが順にヴォーカルを務め、「心の銃」や「ヒーロー」や「ノット・サティスファイド」といった初期曲を歌い、「心の銃」の後半ではしれっと茂も出てきて歌ったりも。
血が騒ぐ。
いやねー、やっぱりオリジナル・アナーキーの演奏がめちゃくちゃうまくて、いいんだわ。
さすが、あの山下達郎が惚れ込んで必ずアルバムを買っていたというバンドだけあり、ロックなのにグルーヴがあるのだ。
改めて、演奏力たけーなーと唸らされた次第。
最後にもう一回、今度は茂本人のヴォーカルでアナーキーをやってくれるかと期待したんだが(多くの人もそれを期待していたようで、アナーキー・コールがしばらく続いた)、それが叶わなかったのはちょい残念だった。
がしかし、最後の最後、アンコールでは思わぬ曲が飛び出した。
茂、パンタ、山下久美子、JILL、石坂マサヨらが並んで歌った曲は、忌野清志郎ヴァージョンの「イマジン」だったのだ。
これが……よかった!
そういうモードをこのイベントには期待してなかったのだが、意表をついてこの曲が涙腺を刺激した。
石坂マサヨは、確かに上を見上げ、その人…清志郎に捧げる動きをした。
因みに彼女は自分のユニットのときにも、ロッ研で清志郎と一緒に作ったという曲を歌っていた。
アナーキーとルースターズがデビューしたのは1980年と書いたが、RCが電化して飛ぶ鳥を落とす勢いになり始めたのも79年~80年だ。
確か文化放送だったかでオンエアされたアナーキーとRCのジョイントによる公開ライヴは、録音して今もとってある。
そんなことも思い出しながら、その「イマジン」を聴いた。
ところでこの日、何人かのヴォーカリストがステージに立ったわけだが、そんななかで僕が「やっぱこいつのヴォーカルはすげーな!」ともっとも強く思ったのが誰だったかというと…それは仲野茂だった。
さすが、主役!
50にして衰えなどまったくなし。
むしろますますぶっとくなってんじゃないかとさえ感じられたものだ。
パンクもいいが、バラードもいい。
(自分が今住んでいる)上九一色村ヴァージョンというふうに変えて歌ったシオンの「蛍」など、かなりグッときた。
あと、パンタね。
「なにが50だぁ~、青い青い! オレは還暦だぁ~!」ってなMCに笑わされたが、こんな言葉を言えるのはパンタだけ。
茂と一緒に歌った名曲「屋根の上の猫」では、「きっと猫になる」ってところを「きっと60になる」って歌ってましたね(笑)
それにしても、改めて感心するのは、茂の人脈の広さと面白さである。
好かれる男であり、頼れる男でもあるんだろな。
そして、ここには、今のメジャーのロックシーンとは異なるが、確かにその土台となったひとつのものがある。
若いロック・ファンがどれだけ認識しているかは知らないが、ここに確かにもうひとつのシーンというものが形成されている。
ってなことを思ってみたりもした夜でした。
- アナーキー/アナーキー
- 毎日イライラしながら学校に行って腐ってたあの時代、このアルバム聴いてどんだけ助かったか。
- まさに直撃。
- そういう世代ですねん。