書いてなかったライヴ日記です。




12月2日(火)


代官山・UNITで、フリクション、あふりらんぽ、KIRIHITO。

「2×3」と題されたイベントで、2人組のバンドが3組出演するというもの。


海外でもホワイト・ストライプス以降、2人組のロック・バンドが増えていて、若手でもブラッド・レッド・シューズとかティンティンズとか、そのほかいろいろ出てきて「ふたりだけでこんなにすげー」ってなライヴを見せてくれている昨今だが。

なんかもう、この日の3組を観てても、今やロックは2人でやるのがもっともスリリングなんじゃないかと思えてきたりしてしまった。
ごまかしの一切きかない「個」と「個」のガチンコ演奏。
そのヒリヒリするようなぶつかりあいと混ざり合い。


今、ロックのライヴで一番グワッと胸ぐらつかまれる感覚を味わえるのは、僕にとってはこの「2人組」という形態だ。


初めてライヴを観たKIRIHITO、フェスなどで観たことは何度かあったがここまで近い距離でがっつり観たのは初めてだったあふりらんぽに続き、トリがお目当てのフリクション。

2人組ロック・バンドといえば大抵はギターとドラムという編成だが、現・フリクションはベースとドラム。
けど、ときどき僕はレックさんが弾いているのがベースだということを忘れてしまいそうになる。
そういう音なので。


ああ、それにしてもこの日のフリクションの凄まじさといったら!
あのかっこよさを言葉でどう書けばいいのか。
「やばい」とか「最高」とか、そんなアホな言葉しか出てこないが、言葉を失うぐらいよかったと思ってくだせえ。


叩く前に雄叫びをあげるほどに達也さんは熱く、一方レックさんはクールでホットといった感じ。
フリクションのかっこよさというのは、この独特の音楽体温と、ときどきそっからメーターがブワンと振り切れるような瞬間のスリルにある。
とてつもないエネルギーの爆発力と持続力。
しかも肉体的なのに知的でもある。


今の2人フリクションになってから僕も何度かライヴを観てきたが、今回はうまく言えないけど言葉にするなら一番ロックンロールっぽかった感じがしたな。
「ロール」の部分に重きのおかれたそれね。
重量があるのに、グイングインうねって転がってく感じ。


象徴的だったのが、アンコールで演奏された曲。
最初、あれ? これ、なんだっけ? と思って、数秒してから気づいた。
そう、ストーンズの「ユー・ガット・ミー・ロッキン」だったのだぁぁぁっ。
かっこえええんだこれがぁぁぁ。


実はこれ、09年に死ぬほど久しぶりに出る新作(ミニ・アルバム)にも収録されている曲で、関係者の友達から逸早くその音もらって聴いたんだが、さいっこぉぉです。血が逆流します。


もうね、フリクションを聴かないでロックが好きとか言えちゃう人は信じたくないと。
そんなふうにさえ思ってしまう2008年末なんであります。


Zone Tripper/Friction 1978-2008(CD付)/FRICTION
フリクションザ・ブック/河添 剛