書きそびれていたひと月前の日記です。



11月28日(金)


赤坂・EMI社で、プリシラ・アーンにインタビュー。


前回のプロモ来日時に、ショウケースが終わったあと、渋谷の某カフェ・レストランでマネージャーくん含めていろいろ話ができたのだけど、正式に対面インタビューをするのは今回が初めて。


もうね、プリシラったら、穏やかで可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて。
質問に答えながら、とぉっても~、よ~く~、笑~うんですぅ~(←吉田拓郎調)。
その笑い声があったかくて可愛くて僕は完全にメロメロ。
ヘラヘラしてんなぁ、オレ。って、自分でわかるんだが、どうしても顔がシャキっとならんかったです。
幸せなひと時じゃった。


って、おい、ちゃんとプロ意識持ってインタビューしてんかいと突っ込まれそうだけど、興味深い話はいろいろ聞けましたよ。

それ、アドリヴ誌の次号に載せるんだけど、ここでもちょっとだけ紹介すると。


まず、プリシラのライヴを観に行った人なら、けっこう彼女が日本語を上手にMCに取り入れていて感心した人も多いと思うのだけど、今回の来日時には実用的に使える日本語を覚えなきゃと思い、マスターした言葉が……「アレ、オネガイシマ~ス」……だそう(笑)


んなこたぁどうでもいいすか?
じゃ、もうちょっと音楽に寄った話を。


ミュージシャン仲間に恵まれているプリシラだけど、アルバムのキー・パーソンであるガス・サイファート、それにザ・バード&ザ・ビーのふたりなんかをプリシラに紹介したのはジョーイ・ワロンカーだったそう。
ジョーイはいろんな人をプリシラに積極的に紹介しているようで、「ほかにどんな人を?」と訊いたら、「ナイジェル・ゴドリッチを紹介されたときは緊張したわ」なんて答えも。おおっ!


因みにザ・バード&ザ・ビーのイナラとは本当に仲よしなんだそうで(それ、すごくわかるなぁ。ふたりとも穏やかな性格だし)、ふたりで一緒にレコーディングした曲もあり、「それも1stアルバムに入れればよかったと、ちょっと後悔してるの。次のアルバムには入れたいわ」とのこと。
それ、イナラの家に行って、それぞれが途中まで書いていたメロディを合わせて作ったのだとか。
「Willow Weeping」という曲で、プリシラのマイスペで聴けますよ。

いいだなぁ、これが。

http://www.myspace.com/priscillaahn


そんな話から、「今後、コラボレーションしてみたい人はいる?」って訊いたら、彼女、なんて答えたと思います?
「レイ・ラモンターニュ。彼は素晴らしいわ。この前、ライヴを観て、本当に感動したの」。


前にも書いたけど、レイは2000年代以降に登場したシンガー・ソングライターの中で僕が一番好きな男だったりもするので、この答えには「おおおおっ」と驚きつつも大喜びしちゃって、しばらくレイの話をしちゃったりしましたね。
プリシラ、もしかしたら、オーストラリア・ツアーをレイと一緒にやるかもしれないんですって。


あとね、「レッド・ケープ」などプリシラの曲には映像的な歌詞のものもある……というような話から映画の話になり。
彼女は映画が大好きで、「特に昔のモノクロのフランス映画が好き」なんだそうだが、「あと、宮崎駿の映画も大好き」とのこと。
「ハウルの動く城」や「風の谷のナウシカ」がお気に入りなんだそうです。
ファンタジックなようで、どこかシリアスなメッセージもあり……といった感じが、プリシラの作風に微妙に共通するところ、あるかも。



グッド・デイ/プリシラ・アーン





11月29日(土)


乃木坂・ビルボードライヴ東京で、プリシラ・アーン。(2ndショー)


インタビューした翌日、彼女の正規の日本初公演を観る。
因みに椎名林檎公演をさいたまスーパーアリーナで観終えたあと。
両方観てどういう感想を持ったかは、椎名林檎の記事の終わりに書いた通りです。


ステージにいるのは、プリシラと、そのサポートとしてアルバム『グッド・デイ』のサウンド面を手掛けていたキー・パーソンのガス・サイファート(ギター、ベースほか。ダブルネックを使ってましたね)のふたりだけ。
ガスはウィロウビーというバンドもやっている男で、僕は気にかけていた音楽家だったので、ここで観れたのはラッキーだった。


ふたりだけだが、プリシラのアコギとペダルを使ったヴォーカル・ループ、そしてガスのサイド・ギターとで、とても豊かで膨らみがあり、ときに幻想的とも言える音楽を奏でる。


プリシラの歌声は、CDで聴く印象よりもずっと強いもので、さすがに10年間ライヴでたたき上げてきたシンガーだなということを思い知らされる。
会場の(音響の)よさも手伝ってか、前回のショウケースのときより強い響きに思えたりもした。
もしかするとCDだけ聴いて雰囲気でもってく歌手だと侮っている人もいるかもしれないが、そんなことは断じてなく、彼女は実に力のあるヴォーカリストだとここに書いておきます。


ショーは『グッド・デイ』の曲を中心にしつつ、ショーケースのときにも歌われた未発表曲の「Boob Song」、それにやはりアルバム未収録の「Living In A Tree」などを混ぜながら展開。
ときおりMCに混ぜる日本語の発音もなかなかよくて、耳がいいんだなと思ったりも。
また、何か話したあとに、必ずといっていいくらいあの可愛らしい笑い声。
僕はそのたびにキュン&ニコっ。


ところで、インタビューしたときに、「ちょっとしたサプライズを用意してる」と話していたので、なんだろうと思っていたら……。
アンコールでジョン・デンバーの「カントリー・ロード」を、なんと日本語で歌ったのだった。
それ、好きだと言っていた宮崎駿作品の『耳をすませば』(英語タイトルは「Whisper of the Heart」だそうな)で使われていて、そこから覚えたのだとか。
その日本語の発音がまたいいこと。
曲のエンディングでは「…ウェスタン・トウキョ~、タ~マガワ~、コンクリ~ト・ロ~ド~」と歌い、にっこり。


そのあとの、ブリシラがウクレレを、ガスが鉄琴を弾いて歌われた「ファインド・マイ・ウェイ・バック・ホーム」も沁み渡りましたね。
いやぁ、とってもいいライヴでした、本当に。



終演後、楽屋を訪ね、プリシラに婚約祝いを渡すと、とても喜んでくれて、婚約者君を僕に紹介してくれた。
俳優なんだそうだけど、優しそうないい男でしたよ。
末永くお幸せにね、プリシラ!


あと、ガスとも話すことができた。
シャイそうだったけど、ウィロウビーの「フランケンシュタイン」という曲が好きなんだと話すと、えらく喜んでくれてね。
すごく背が高くて、いいやつでした。



↓こちら、ガスがやってるウィロウビーのマイスペです。

http://www.myspace.com/willoughby