前の記事は東京初日のシェリルのライヴ終わりに呑んで酔っ払ってゴキゲンになった勢いで帰って2分ぐらいで書いたもの。
なので、読み返すと文が中学生みたいで(またはアメブロにありがちなタレントのブログみたいで)お恥ずかしい気もしつつ、でもこういうのはこういうのでそのときの気持ちがダイレクトに出てて悪くないかと思ったりも。
それに読みやすいしねぇ。すぐ読めるしねぇ。
となると、それなりに気合入れて書いてる普段の長い文章の立場は? ってな話になるんだが。
うーむ。
とりあえず、短くサクッと書いた文のほうが多くの人に読まれるんだなっていうその感覚はわかった。
が、書きたいことがいっぱいあるから僕はブログを書いてるわけで、わかったけど、たぶんこれからもまたけっこう長い文を書いてくんだとは思ってます。
12月11日(木)・12日(金)
水道橋・JCBホールで、シェリル・クロウ。
2日続けて観てきた、シェリル、約6年ぶりの来日公演。
こんなにもワクワク胸躍らせて観に行ったライヴというのも久しぶりかも。
で、観終わって、ああ、僕はシェリル・クロウというアーティストが本当に大好きだなぁ、少なくとも女性アーティストの中ではやっぱり一番好きだなぁと改めて実感した。
声が好きとか曲が好きとか歌詞が好きとか顔が好きとか才能がどうとか生き方がどうとかパフォーマンスのうまさがどうとか、そういうひとつひとつで評価してたり好きだったりする女性アーティストはほかにもいろいろいるけど、シェリルはその全部をひっくるめたところで自分にとって特別。
こんなにも強く思い入れてしまっている女性アーティストはほかにいないな、と。
で、もちろんシェリルの日本公演は初来日から毎回観てるし海外でも何度か観ているが。
もうね、前の記事でも書いたけど、ハッキリ言って今回は今までで一番よかったんじゃないか。
少なくとも僕の気持ち的には、そう。
実はけっこうシェリルのライヴって今まで観た限りではムラがあって、どこか消化不良で終わったことも少なくなかったものだったんだが。
で、今回にしたって、相変わらずバンドの演奏はずいぶんラフっちゃラフだし、シェリルの声も決してガツンと強力に響いてくるばかりではなかったものだったが(もともと強い声の人ではないですからね)。
それでも、なんだろ、こんなにも心を打たれたというのは……。
と、それを考えてみるとだね。
会場があのバンド・サウンドに実に適していたというのと。
選曲が素晴らしくよかったっていうのと。
シェリルがすごく明るかった、ハッピーそうに見えたっていうのと。
それと一緒なんだけど、何より歌に気持ちがこもっていて、こうしてまた歌えているというその喜びがそのまま伝わってきたようだったこと。
そういうことになるのかな。
まず会場。
恐らく誰もが感じたことだと思うんだけど、JCBホールのあの感じがすごく合ってたよね。
前回が武道館だったことを考えると、動員的にはスケール・ダウンの感も否めないんだが、でもファンにとっては今回のハコぐらいで観られるほうが嬉しいもの。
特別な演出など何もなく(まあ、いつもそういうものはないんだけど)、ああいうロックな演奏を聴かせるのに、キャパといい作りといい雰囲気といい、最適だったように思う。
ホールではありながら感覚としてはライヴハウスのようで、けっこう親密な空間がそこに生まれてたんじゃないか。
ああいうラフなバンド演奏であっても、そのような空間だったから味としていいものに感じられたってところもあるんじゃないか。
因みにそのバンドは、ピーター・ストラウド(ギター)、ティム・スミス(ギター)、マイク・ロウ(キーボード)ら長きにわたってシェリルをサポートし続けている馴染みのメンバーが核になってはいるものの、今回はドラムがジェレミー・ステイシー(『ディトアーズ』の数曲に参加していた男。いいドラマーです)にチェンジ。
そしてちゃんとベーシストが入り(なので、シェリルがベースを弾く場面は今回はなし)、さらにパーカッションと女性コーラス2名が加わっての全9人編成に。
このメンバーの中で今回特に光っていたのがキーボードのマイク・ロウ。
なんか途中で場を離れたり、ふらっと歩いていきなり荒っぽく叩くように弾いたりのどこかトボケた感じが洒落ている上、いいグルーヴを生んでいるのはこの男の鍵盤に因るところが大きいのだなと思わせるプレイだった。
また今回の公演のひとつのハイライトでもあったのが本編のうしろから3曲目に歌われた「アウト・オブ・アワ・ヘッズ」だが、そこでのドラムのジェレミー・ステイシーとパーカッションのワリー・イングラムとの叩きあいの激しさも観客を唸らせるものがあった。
それから選曲。
繰り返すけど、これが本当に素晴らしくよかったんですよね、今のシェリルのモードがそこからビシビシ伝わってくるようで。
まず、(登場する前の)オープニング。
ライトが落ちるその直前に、ひときわ大きくなったBGMがなんだったかというと、「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ」。
ジョニー・ナッシュが72年に発表した曲だけど、最近の人には映画『クール・ランニング』の主題歌としてジミー・クリフがカヴァーしたヴァージョンのほうが有名かも。
日本ではキムタクのドラマ『エンジン』の主題歌にもなってた曲なんでね。
この曲のヴォリュームが大きくなったところで電気が消えてショウの開幕となったわけだけど、それだけでなく。
シェリルは本編の中でも「アイ・キャント・クライ・エニモア」を歌っている中で途中にこの曲を挿み、さらにはサビの部分を観客に歌わせるということもしたのだった。
「It's gonna be a bright(bright) bright(bright) sunshinin'day」
この部分を何度もね。
僕は、最初にこの曲がBGMでながれたときには、ああ、シェリル、この曲が好きなんだなぐらいにしか思ってなかったんだが、ショウの中で自らが歌い、そして観客にここを歌わせるということをしているときに、ああそうか!と気づきました。
まさしくこの歌の歌詞が今のシェリルの心情そのものであり、今回のツアーのテーマでもあり、今一番みんなに伝えたいことであり、みんなと共有したい気持ちなんだということを。
会場にいたどのぐらいの人がそのことに気づいてたのかわからないけど、僕はグッときたなぁ、ここ。
だから、シャイな僕も一緒に声だして歌ってみました。
歌うことでそうなる気がしたから。
そうなるっていうのはどういうことかというと、こういうこと。
歌詞の一部の和訳を載せますね(いちおうシェリルが歌ったということで女性言葉に換えた上で)
私は今、雨があがったことをクッキリと見ることができている
私の進む道にある障害も
暗い気持ちにさせていた黒い雲も去って
太陽が降りそそぐ明るい日になりそうね
うん。痛みはもうなくなったわ
嫌な気分はみんな消え去ってしまった
こうして虹が見える日がくるのを私はずっと祈り続けてきた
太陽が降りそそぐ明るい日になりそうね
ね?
わかるでしょ?
説明するのも野暮だけど、お節介ながらも念のため書いておくと。
つまり、乳がんとか。婚約破棄とか。いろんな痛みがあって自分の人生が見えなくなっていたときもあったけど、もう雨があがって雲がなくなり、私には今がクッキリと見えている。
だからもう私は大丈夫。こんなにいい日が今送れているのよ。
それに、ほら、アメリカって国だって、しばらく混沌としてたけど、もうアホ・ブッシュが作ってた黒い雲は去ってオバマが太陽をだそうとしてるんだから。
ここには希望があるの。太陽が降りそそぐ明るい日になりそうでしょ?。
そういう願いをこめて、みんな一緒に歌いましょうよ。
と、そういう意味でシェリルはこのショーの始まりにこの「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ」をかけて、自分でも歌って、観客にも歌わせたわけですよ。
グッとくるでしょ~、そりゃ。
(この文、長くなってきたので、今日はここまで。選曲のことなどまだまだ書きたいこといっぱいあるので、次回に続きます)
http://jp.youtube.com/watch?v=gIqLsGT2wbQ
↑こちら、ジミー・クリフ・ヴァージョンの「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ」のPVです。


