昨日はMGMT。一昨日はフリクション(←今回はよすぎ!)。
連日のライヴで忙しくも楽しい12月。
けど、ブログが追いついてなーい。
今年は観たライヴ全部書くのを目標にしてるんで、今日も書きそびれていた1ヵ月ちょい前の日記を。
もうすぐまた最近の日記に戻りますからね。あとちょっと我慢してね。





10月28日(火)


水道橋・JCBホールで、ネヴィル・ブラザーズ。


実に12年ぶりとなったネヴィルズの来日公演。
かつては来日するたびに観に行ってたもんです。
そして毎回燃えたものです。


シリルにはインタビューもしたっけなぁ。
その帰りにアーロンと遭遇してサインだけもらったなぁ、顔怖かったけど。
なんてこともずいぶん昔のこと。


時は流れ、流れた分だけ、ネヴィルズは老けてました、確実に。
そりゃしゃあない。
長男アートは70歳ですから。


昔いつも一緒に観に行ってたSくんとまた観に行きました。
僕らふたりとも期待してたのは、2004年に相当久し振りに出した最新作『Walkin' In The Shadow Of Life 』の曲をやってブリブリにファンクしてくれること。
僕ら、あのアルバムが大好きでねぇ。
メロ重視で聴きやすくなってたある時期からのものより、このゴリゴリのブイブイのコテコテのファンクこそがネヴィルズの真髄っしょ、ってな感じで一時期相当ハマッて聴いてたゆえ。


Walkin’ in the Shadow of Life/The Neville Brothers

で、結論から書くと、その期待は叶いませんでした。
あのアルバムからの曲はなく、大まかには以前の来日公演とさほど変わらないセットリスト。
いやもちろん、細かいところでは変化つけてて「そうきたかぁ」といったところもいろいろありましたが。
中盤の50'sロックンロール・メドレー×2とかね。
あれ、以前ライヴで聴いた記憶がないから(日本でやったことあったっけ?)、新鮮でした。
あれが好きじゃなかったって人もけっこういたようだけど、僕的には振り返ってみるに今回のハイライトだったんじゃないかってくらい残ったな。

と、そういうところもあるにはあったんだが、本編ラストがやっぱり「イエロー・ムーン」で、アンコールがやっぱり「アメイジング・グレース」、そんで「ワン・ラヴ」でみんなで合唱してめでたしめでたしみたいな流れは、僕ら的にはちょっと残念だったかなぁ。
なんか、手堅くまとめてみました感もちょっとあってね。


この日は出音もやけに小さくて、ありゃ、全然腰に来ないゾ…ってな感じだったし(29日のほうはもう少しちゃんと音出てたそうだけど)。
煽り役のシリルがまったくもって元気なかったし(29日のほうは昔の調子でノリノリだったそうだけど)。
アーロンの声も、あれぇ、こんなもんじゃないっしょ、ってものだったし。
総じて昔のようにズコズコ腰にきちゃうウネリとかは感じられず……。
終わってからの僕らの感想は、揃って次のようなものでした。


「もっとファンクを!」


というのが偽らざる気持ちではあったんだが、じゃあつまらないライヴだったのかっていうと、そういうことではまったくなく。
逆に味わい深さというかコクというか、そういうのはジワ~ンと伝わってきて、ユル心地いい幸福感はあったんです。
そういう意味では今の彼らのこれが等身大のライヴなんだろうし、ってか60代が中心だってこと考えれば十分パワフルでもあるんだろうし。

だから、僕らが過剰に新作のあのグルーヴを期待し過ぎてたってことだとは思ったんですけどね。


でまあ、かつて何度も観たライヴで印象的だったアーロンの美声とシリルの熱血パーカスが今回薄かった分、逆にチャールズとアーロンのプレイに耳がいってたってところがかなりあり。
この日はチャールズの泣きサックスにだいぶやられたな。
で、チャールズほど表の意味で目立っていたわけじゃないのに、いろんな箇所で「うう、この感じ。たまらん」と思わせてくれたのがアートであって、ああそうなんだな、やっぱりアートがネヴィルズの肝なんだなと。
そのあたりを実感させてくれたっていうのが、過去に観てきたこの兄弟たちのライヴとの違いだったと言えるかな僕的には。


そのへん含め、終わってから僕たちふたりとも、「もっとファンクを!」の感想のあとに声合わせて言ってましたよ。


「でもまあ、よく来てくれたよね、4人揃って。それだけでもありがたいよね」と。


またいつか観れるのかな。
観れるといいな。
できれば朝霧ジャムで観たいものだな、3時間ぐらい。