理屈じゃないのだ、衝動なのだ、ロックは。
そんでもって、その衝動ってのを、始めてから何十年も経ってる60過ぎのおいちゃんたちがこんなにも生々しくダイレクトに表現して、幸せそうな表情浮かべてるのを観てたら、そりゃあ活力も湧いてくるってもんで。
おいらも頑張るさ、とか誓いながら、もうグッときまくってしまったのだ、昨日のザ・フーの武道館公演を観て。


なので今日は昨日買ったフーのTシャツ着ながら、原稿やらこのブログやらを書いてる僕。




えー、昨日のライヴの話の前に、まずは書きそびれていた映画の話から。


僕は9月29日に東銀座の松竹試写室で観た映画『ザ・フー:アメイジング・ジャーニー』。


公開はいよいよ今週末(22日)からだ。


なんだ、まだ公開されてなかったのかと知って、ええって思いました。
なんでこれ、来日前に公開しなかったのかねー。
意味がわからん。
彼らが帰ったあとにこれ観て余韻を楽しむ…ってのもまあありだけど、先にこれ観て、わぁー、このバンドのナマが本当に観れちゃうんだぁっていう期待感のもとに会場に足を運ぶ、そういう流れを作ったほうが絶対によかったと思うんだけど。


ま、いいとして、僕はこれを9月末に観たことで、ライヴへの期待感が20倍は膨らんだ。
というか、改めてザ・フーというバンドが今ここにこうして現存していることの奇跡とありがたみを思い知った。
本当に奇跡の連続でここまで来たバンドだったんだなぁ。
信じられないくらいにドラマチックな運命を辿って今ここにあるのだなぁ。
そんなこのバンドを今観れることというのも、これもひとつの奇跡なんだよなぁ、と。
また大袈裟な、と思われるなら、この映画をまず観てくだせぇ。


『キッズ・アー・オールライト』から28年ぶりに公開されるザ・フーの2本目のドキュメンタリー映画。
監督はマイルス、ジミヘン、ドアーズほかいろんなアーティストのドキュメンタリー作品を手掛けてきたマーレイ・ラーナー。


28年ぶりってことはつまり、『キッズ・アー・オールライト』以降のザ・フーがどういう道のりを歩いてきたかも描かれているということで、それはもう、「ああ、そうだったのかぁ」「これはこういうことだったのかぁ」の連続。
僕はザ・フーのことをなんも知らなかったということがよくわかった。
(たぶん、ある程度のザ・フーのファンでも、この映画で初めて知ること、けっこうあると思いますよ)


少年時代~出会い~結成~デビュー、ってとこから丁寧に描かれてるドキュメンタリーで、長い歴史を2時間に収めるんだから、そりゃ端折らなしゃあないところもたくさんあっただろうが、よほど熱心なザ・フーのファンじゃなければ気になるすっとばしはない(と思う。少なくとも僕はこの編集に唸ったほう)。


デビューまでもそこそこ時間をかけてるけど、面白くなるのはやっぱデビューしてから。
転がってく中で、いろんな葛藤やら悲劇やら迷走やらがあって、人間ってやつは、バンドってものは、などなど、そこらの映画よりもよっぽど4人の物語は映画的で引き込まれる。


ライヴ・シーンの迫力は言うまでもないし(未発表映像多数らしい)、スティング(ベーシストとしてジョン・エントウィッスルのプレイの特徴に言及するそれは面白かった)、オアシスのノエル、U2のエッジらの話とか、かつてのマネージャー、プロデューサーら非常に近い人たちの重みのある証言も興味深かったが、やはり本人たち…つまりピートとロジャーそれぞれの語りがとりわけグッとくる…というか、人生ってものをいろいろ考えさせられる。


3人の天才(ピート、ジョン、キース)に対して自分のみ凡人であると思い悩み、ひとりだけドラッグを拒んだりもしたので居場所に困ったものの、その後ヴォーカリストとして奮起し、『トミー』による世間の評価で一皮剥けることとなったロジャーの言葉とかもう、そこだけ膨らませて1本の映画にできそうなくらいに心揺らすものありますよ。


で、キースの死~解散~復活~ジョンの死といったあたりの後半でまた物語はグルグル展開し、そして最後、それでもステージに立つロジャーとピートの(気持ちの)関係性の変化……。
感動。
ジーン…。


単なる音楽ドキュメンタリーにあらず。
これはロック・キッズがいかに人生を歩んで大人になっていくのかを描いた作品であって、男が惚れる男たちの物語。
今バンド(または音楽)をやっていて、これから長くやっていこうと考えている人だったら、なんとしても絶対に観ておくべきだと思うな。

本当にいろいろ考えさせられるから。


繰り返すが、公開は今週土曜。

来日公演の興奮がさめぬ間に観に行きましょ~。

(僕ももう一回観に行きたくなった)


オフィシャル・サイトはこちら。

http://www.thewho-movie.com/



で。

その感動のラスト・シーンから地続きで今回の来日公演があり、昨日、僕は武道館に行ったわけで……。

はい、長くなったので、ライヴのことはまた明日にでも。