10月10日(金)


ゼップ東京で、柳ジョージ&レイニーウッド。


27年ぶりに再結成した柳ジョージ&レイニーウッド。
僕は一足早く、7月にフジロック(フィールド・オブ・ヘヴン)で観て、いたく感動したのだった。
そのときのレポはこちら↓

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-10122725722.html


ここで書いた通り、フジロックでは思っていたよりずっとよく声が出ていたし、その声には色気も加わっていた。
再結成したレイニーウッドとの、ギターと歌の重なり合い・絡み合いも素晴らしく、やはりジョーちゃんにはこのバンドが一番だなと実感したものだ。
これは単独公演も絶対観に行かなくちゃ。
僕はそう思って、ゼップ東京公演のチケットを取ったのだった。


フジロックでは時間の都合でやらなかった曲も、単独公演ではタップリ聴かせてくれるだろう。
そんなことを考え、けっこうワクワクしながら観に行ったのだが……。


悪夢のようなライヴだった。
最低最悪。
酷い。酷過ぎる。


オープニング、上綱さんのキーボードの音がドラマチックなムードで響き、そして始まったのが「チェンジ・イズ・ゴナ・カム」。
なるほど、その曲の歌詞に思いを重ねた選曲なのだろう。
柳ジョージは、ずいぶんとタメを作って歌っている。
そう、最初は意識的にタメを作って歌っているのだと僕は思っていたのだ。
でも、ちょっとタメすぎ?


2曲目でそうじゃないことが明らかになった。
単にメロディから歌が遅れているだけだったのだ。
レイニーウッドの演奏から、歌が外れまくり。
メロディだけが先を行き、ヴォーカルが完全に遅れている。
もしかしてモニターの返りが悪く、バンドの演奏の音が聞こえていないのかとも思ったが、そうじゃないことはすぐにわかった。
歌がメロディに乗ってないだけじゃなく、柳ジョージは歌詞をちゃんと歌えてなかったのだ。
1番を2回歌う…どころじゃなく、例えば2行のフレーズがあったらその1行目を2回繰り返したり、ハミングでごまかしたり、酷いと完全に空白になったり……。

ど、どうしちゃったの?


やがて、手振りがおかしいことに気がついた。
歌いながら、柳ジョージは両手の指をずっと落ち着かないように動かしている。
これって……アル中の症状?

わからないが、どうやら酔っ払っていたようなのだ。
それも、酷く。


途中で持ち直すことを願っていたのだが、よくなる気配はまったくなく、それ以降もずっと歌が演奏から遅れてメロディからはみ出し、歌詞を忘れまくり、ヴォーカルだけじゃなくギターを弾けばまたバンドの演奏の邪魔にしかならないような音を出し……。

酔ってるのがばれないようにするためかMCはほとんどなく、どんどん曲が演奏されていったのだが、後半でメンバー紹介があり、それがもう……呂律が回ってない。
さらに、ステージから一度引っ込むときなどヨロヨロと歩き、挙句に転倒。


一体全体、どうしてこんなふうになったのか?
久々の大舞台ということで緊張して飲まずにいられなかったのだろうか、それとも……。
わからないが、じゃあ、まわりの人はなぜ止めなかったのか……。
とにかく、柳ジョージは、ステージに立ってはいけない状態のまま、立ったのだ。


レイニーウッドの演奏は素晴らしかった。
主役の柳ジョージがそんな状態であるのに、メンバー全員が最後までプロフェッショナルなミュージシャンとしてなんとかバックアップしようとしていた。
特に鈴木明男さんのサックスはよかった。
柳ジョージがまともでありさえすれば、鈴木さんのサックスと柳ジョージのギターの絡みの場面などは、かなりの見どころとなったはずだ。


結局、このライヴで唯一よかったのは、柳ジョージが一度ひっこみ、レイニーウッドだけで「チャイニーズ・クイーン」を演奏して歌ったところだけだった。
メンバーたちもそのときだけは生き生きと演奏しているようだったし。
気持ちよく聴けたのは、あの1曲のみだ。


選曲はもう、かつての名曲ばかりを次々にといった感じで、フジロックでは歌われなかった「ヘイ・ダーリン」や「同じ時代に…」など、僕が大好きだった曲も今回は演奏された。
イントロではグッときた。
アンコールでやった(正直、こんなんでもアンコールを求める観客に驚きもしたが)「プリズナー」も、イントロが鳴った瞬間だけは胸に響いた。
柳ジョージがまともに歌えてギターを弾けていれば、たぶん僕は泣いていたと思う。
しかし、ヴォーカルが先に書いたような状態であったため、まったく感情移入できずじまい。


レイニーウッドのメンバーたちはどんな気持ちだっただろう?


もう一度書くが、フジロックでのステージは本当に素晴らしかったのだ(バウンス誌での、心に残った今年のフジロックのアクトでも僕は柳ジョージとレイニーウッドを選んだくらいだ)。
つまり、いい状態の柳ジョージは今でもいいということ。
だから尚更、今回のゼップ公演には失望した。


あんな状態で、この日を楽しみにしていたお客さんの前に出るなんて。
本当にどうしてそうなってしまったのだろう……?


もう僕は、ジョーちゃん、なんて敬愛の念をこめて書く気にもなれない。
あれほど好きで追いかけていた青春時代の思い出も汚されたような気持ちだ。
こんなこと滅多にないが、「金、返せ」とさえ言いたくなったライヴだった。


怒るくらいなら泣いてやる…の僕も、珍しくストレートに怒ってます。