10月5日(日)


朝霧Jamで、キティー・デイジー&ルイス。


前の記事の終わりに書いた通り、今回の朝霧Jamでもっとも強く印象に残ったのが、二日目のお昼頃にレインボー・ステージで観たキティー・デイジー&ルイス(Kitty,Daisy & Lewis)だ。


僕がこの3人を知ったのは、朝霧の出演者が発表され、それで予習がてらMy Spaceを見たことによってだったので、ほんの数週間前。
そこで音を聴いてビデオも見て、こりゃいいわいと、日本盤の発売日にCDも買った。



Kitty, Daisy & Lewis / キティー、デイジー& ルイス/KITTY;DAISY & LEWIS



ジャケからして惹かれるものあるじゃないですか。
50年代ものっぽいでしょ、3人のカッコも写真の色合いもロゴも。
アナログ盤で購入して飾りたくなるっていう。


このアートワークのイメージ通り、音楽性も40's、50'sずっぽりのロックンロール~ロカビリー~リズム&ブルーズ~ジャンプもので。
1曲目からキャンド・ヒートの「ゴーイング・アップ・ザ・カントリー」のカヴァー。
ブルーズ・ハープをフィーチャーした3曲目「ポリー・プット・ザ・ケルト・オン」はソニー・ボーイ・ウィリアムスンの、5曲目「アイ・ゴット・マイ・モジョ・ワーキング」はマディ・ウォーターズの十八番。
さらにはカントリーのチャーリー・リッチのヒット曲あり、ジャンプの王様ルイ・ジョーダンの曲ありで、オリジナル曲もそれらと並んで遜色のない“あの時代”のムード。


しかもこのアルバム、デジタル完全排除で、全てアナログ・レコーディングの機材だけを使用して録られているそうで。
8トラで、ヴィンテージのマイクロフォンなんかを使ってやってるそうなんですね。
それでこのザラっとした音っていう。


エイミー・ワインハウスからダフィーまで、レトロ~ヴィンテージものがどんどん前線に浮上してくる最近の英国のシーンだけど、それらはまあ言うなれば“レトロふう”であって、古いものを新しい解釈で聴かせてるわけじゃないですか。
けど、それらと違って、このトリオは“ふう”じゃなくて、本気。
古い音楽を現代的な解釈で……っていうより、古い音楽のよさを“だってこれで完成されてるんだから、そのまんまやりゃいいじゃん”という、そんな姿勢がむしろ新鮮で、最近のレトロ・ブームに乗ってるアーティストとは一線を画すものなんですね。
そこがカッコイイっていう。


そんな音楽でロンドンのクラブを沸かせているこの3人。
兄妹なんだそうだが、年齢を知って、ひぃ~、ビックラ。

ジャケ写まんなかのデイジーが20歳。

男のコのルイスが18歳。

手前のキティーが15歳(!)
恐るべき子供たちってやつですよ。


まあ、詳しいバイオ的なことは日本盤のライナーか、ネットなんかで探して読んでいただくとして。
朝霧で観たそんな彼らのステージ。
これがもう、最高だったんだな~。


ステージにいるのは、この若い3人と、脇にサポートする大人のミュージシャンがふたり。
そのうちステージ向かって右側がギター弾きの優しそうなおっさん。
向かって左側がウッドベースのおばちゃん。
ライヴを観ながら僕がゴキゲンに踊ってたら、S社のYさんに声かけられて、「あのふたりって両親なのかなー?」と。

そんときは「えー、違うんじゃない? あ、でも、そうなのかなぁー」なんて曖昧に答えちゃったんだが、気になったのでウチ帰ってから調べたら、おっと、その通りでした。
つまり完全なるファミリー・バンド。
日本盤のライナー読んだら、眼鏡の父さんはロンドンのマスタリング・エンジニアとしてU2やボブ・マーリィといったアイランド・レコード作品に関与してきたグリーム・ダラムさん。
そして母さんは……なんと昔のラフトレードの女性バンド、レインコーツ(レコード、持ってたなぁ)のメンバーだったと。


なるほどね。
なんかそういう、好きだからやっちゃえ的な当時のパンク~ニューウェーブ的な精神性もあるっちゃあるようだしね。
まわりの商業的なマーケットなんか全然カンケーなーいっていう。
そういう粋さがあるのは、そんな両親に育てられたからなんでしょうねぇ。


で、主役の3人はというと、1曲ごとに楽器を持ち替えて。
ルイスくんがキーボード弾いたら、キティーちゃんはギター弾いて、デイジーちゃんはパーカッションにまわって。
デイジーちゃんがアコーディオン弾いたら、キティーちゃんはウクレレ弾いて、ルイスくんはバンジョー弾いて。
ルイスくんがギター弾いたら、デイジーちゃんはキーボード弾いて、キティーちゃんはトランペット吹いて。
さらにヴォーカルも代わる代わるとったり、誰かと誰かが一緒に歌ったり。
しかも、3人ともそれがなんでもないことのように、本当に自然に楽器を持ち替えて、クールにプレイしてるっていう。


もう、ちっちゃい頃から音楽家のご両親のもと、いろんな楽器をオモチャのように日常的にいじって、当たり前のように50'sものとかをアナログで聴いて育ったんだろうな。
(もしかして聴くのはレコードだけで、CDなどは聴いてなかったんじゃないか)


またね、真っ赤なワンピースで、痩せてるんだがけっこう豊かな胸をのぞかせながら腰をかがめてタイコ叩く美人の姉さん・デイジーちゃんが妙に色っぽかったり。
対照的にまだふっくら体型の妹のキティーちゃんが可愛かったり。
青いスーツにビシッとタイもキメて髪をなでつけたルイスくんがまたクールな中にも可愛い表情のぞかせたり。
3人ともすごくチャーミングで、観ているだけで、なんかニッコリしちゃうんですよ。
カッコイイ……んだけど、どっか、ほのぼのしちゃう感じもありっていうか。


そんなだから、みんなヤンヤヤンヤの声援おくってて。
一回引っ込んだところではギャズ・メイオールがステージに出てきて、アンコールを煽ったりも。
というのも、けっこう前から彼ら、ギャズが仕切ってるクラブでDJ(SP盤しかかけないそうな)やったりもしてて、つまりギャズに見込まれてるからなんだが、そりゃあね、ギャズじゃなくてもこの才能は積極的に世に広めたくなりますよね。


因みにライヴ終演後、このトリオのCDは会場で相当売れたそうな。
また、Gラヴは今回のライヴを観て、来年のツアーを一緒にまわってほしいと頼みに行ったとか。


というわけで、キティー・デイジー&ルイス。
僕はすっかり大ファンになっちゃいました。
また来てほしいねぇー。






My Spaceはこちら。

http://www.myspace.com/kittydaisyandlewis



このPVもいいんだ!!

http://jp.youtube.com/watch?v=GxW3Ed7GrhQ