8月7日(木)


青山・ブルーノート東京で、カサンドラ・ウィルソン (2ndステージ)。


けっこう久しぶりに観るような気がしていたら、なるほど4年ぶりの来日だったようだ。
で、そんな時間の経過もあってか、前に観た印象とはいろんなところで違っていた今回のカサンドラだった。


まず、バンドと彼女との関係性のようなもの。
バンドを率いたヴォーカリストがいる、というよりは、今回は…まあ同列という言い方は違うのかもしれないが、彼女もバンドの一員的というか、彼女を含んだひとつの演奏隊による音楽表現というようなニュアンスが強まっていた。
ヴォーカルを際立たせるためのバンド…というあり方ではないということ。
だから、間奏部分や演奏者のソロ部分などが時に歌部分よりも長尺だったりすることも全然あり。
ざっくり言うなら「歌」を聴かせたいというよりは「音楽そのもの」を聴かせたいという意思が形になったものということ。


そういうあり方の中で、カサンドラの歌はグンと自由度が高まっていた。
深度が増しているのに開放的でもあるという、相反しそうなその両方が結びついた形としてそこにあった。


また、厳しい人という雰囲気が前は表情からも感じられたが、今回はけっこう喜びが表情にでていた。
この音楽の中にいて歌うのが気持ちいいのといった気持ちの表れか。


今回は彼女流スタンダード・アルバム『ラヴァリー』を携えての公演。
よってほぼこの新作の曲だが、盤のそれよりもさらに自由に開けたライヴ表現であり。
とりわけバンマスであるギタリスト、マーク・スーウェルのブルーズ的なギターに始まる演奏と臨機応変に絡み重なるカサンドラの声が自在に空気の流れを変えていくその感じに引き込まれる。
アフリカ人パーカッショニスト、レカン・ババロラのグルーヴへの誘い方にも、(特に僕の座った席が彼よりだったことも手伝って)やられた。


わけてもファンキーな「セント・ジェームズ病院」、それから「アレーレ」(新作の中の唯一のオリジナル曲)のグルーヴは凄かったぁ。
カサンドラ流アフロビートとも言えるあれには、入り込んじゃいましたね。
大満足のライヴでした。


ラヴァリー~恋人のように~/カサンドラ・ウィルソン