昨日のSuperflyの記事に続きまして。

今日は、前にプレスリリース用に書かせていただいた「How Do I Survive?」の原稿を、せっかくなら一般の方々にも読んでいただきたく、ここに掲載しちゃいます。

読んでから改めて聴いていただければ、この曲に込めた志帆ちゃんの思いや拘りもさらに強く伝わってくるはず。

では……。


How Do I Survive ?/Superfly





1stアルバムが堂々50万枚を超えるセールスを記録し、夏のツアーも大盛況のうちに終了。

秋には初のホール・ツアーも控え、まさに勢い止まらずといった感のあるSuperflyだ。

そしてアルバムの成功とツアーの手応えは、そのまま志帆にとっての大きな自信となり、さらには確信をもたらした。

即ち、「自分らしくこのままやっていけばいいのだ」と。


そのような思いが曲のノリと歌詞に反映されてもいる新曲だ。

Superfly、6枚目のシングルとなる「How Do I Survive?」。

バラードの「愛をこめて花束を」、アッパーなダンス・ロック「Hi-Five」と続き、さあ次は? と胸躍らせて待っていた人も多いかと思うが……ある意味、もっともSuperflyの個性と本質を正面からズバッと表わしたロック曲である。


ストーンズ直系のギター・リフと、タメがきいててコシのあるグルーヴ。

間(ま)を活かしながら粘っこさを出し、それが曲のタフさを印象付けることにも繋がっている。

サウンドは、わかりやすく書くなら“洋楽的”。

つまりJ-ポップ的な見地からすれば変化球なのかもしれないが、Superflyとしてはむしろ「これぞ」と言える仕上がりなのである。


「翻弄されずに マイウェイ 尖って強引に行こう」。

そんなフレーズもあるように、つまり“個性”と“意志”こそがこの窒息しそうな現実をサヴァイヴするためにもっとも必要なものだということが歌われているわけだが、それはデビューから1年と数か月が経ってひとまわりした今の志帆の実感であり、先にも書いた通り確信であり、そして改めての決意でもあるだろう。

今だからこそ主張したいことであり、今だからこそ遠慮なく歌おうと思った、または歌えるようになった、そういうことでもあるのだろう。


この曲は4月からOAされている「モード学園」の2008年度CMソング。

去年の秋頃に多保孝一から届いたデモに入っていて気にいっていたメロディを土台にし、志帆がモード学園側のコンセプトを汲み取りながら歌詞を書いた。

「こだわりを持ちながら自分の進路を決められる子って、ちょっと尖ったところがあって、やりたいことがハッキリしてて……まあやりたいことを探しに行く子ももちろんいるでしょうけど、なんかこう生きにくい世の中に何かを感じている子が多いんじゃないかなと」、そんなことを考えながら書いていったそうだ。


不器用でもいい。

個性を表わし、自分らしく意志をもって進んでいけばいい。

それは、「生きにくい世の中に何かを感じている」人たちへのメッセージであると同時に、志帆自身のアイデンティティのようなものでもある。


さらに、僕にはこのようにも受け取れる。

私は私の個性と私の信じるロックンロールで、この音楽シーンをサヴァイヴしていくの。

「マニフェスト」や「Ain’t No Crybaby」とも地続きにある、そんな志帆流ロックンロール宣言とも。


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とはいえ、深刻に行きすぎるわけでも、物語として練って書くのでもなく、今回は今思っていることをそのままポンポンと音に乗せていこうという吹っ切れ感があり、それが曲の持つ痛快さとダイナミズムに結びついてもいる。


「メロディが洋楽的なので、耳に聴こえたときに響きの気持ちいいもの、ソラミミ的に聴こえるものを重視して言葉を選んでます。言葉遊び的な感じというか。だから意味よりも音としてのインパクトを感じてもらえたらいいなぁと」


こんな言葉からもわかる通り、志帆は音色、響きといったことに、しっかりと強いこだわりを持っているミュージシャンだ。

アルバム制作以降、その意識はますます強くなり、また経験値に自信も伴ったことで、以前よりも楽しみながら音へのこだわりを作品に反映させるようにもなった。

今作で言うなら、「まず、ツイン・ギターの音が混ざったときの、そのアンサンブル。そこは納得いくまで言い続けて探してもらいましたね」。

それと、「オルガン。もうひとつ何かフックになる音がほしいと思い、(ドアーズの)“ハートに火をつけて”みたいなオルガンを、って蔦谷さんに頼んで弾いてもらったんです」。

さらに書き加えておくと、この曲では志帆自らが弾いたギターの音も入っていて、いいアクセントになっている。


イントロからのギター・リフが何度も繰り返されるほどに血が踊り、タイトなリズムと強気なヴォーカル、そこに絡むブルージーなリードにも体温が上がり、オルガンの入ったサビで景色がパァッと開かれ、さらには闇から抜け出すかのように「ギミー・シェルター」的展開の大サビを迎えるに至ってより一層の高揚がくる……そんなこの曲「How Do I Survive?」は、その重層的な構成も手伝い、ライヴにおいても必殺曲になるだろう。

アルバム後の次なる一手として、このような粘っこいロック曲を打ち出してくるそのアティテュードや、よし。

これを第2章のスタートとするなら、その新章はさらなるスケールを伴ったものとなりそうで、また期待も膨らむというものだ。


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カップリング曲にも少しだけ触れておくと、「Perfect Lie」は志帆の作詞作曲によるバラード。

アコースティック・ギターを弾きながら作ったというこの曲は、特に女性の共感度も高そうな切ない歌詞が深く沁みていく。

ピアノは志帆が弾いた。


もう一曲、恒例のカヴァー・ソングは、FREEの「My Brother Jake」。

メロディの美しさに惚れ込み、いつか必ず歌おうと思っていたそうだが、ここではそのメロディのよさをより際立たせたアレンジを施した。

これまでのカヴァーは比較的オリジナルに忠実だったので、そのような意味でこれもひとつの新味と言えるだろう。


このように、今回もまた魂のこもった大充実の3曲で、無駄なカラオケなどは入っていない。

どのアーティストも(レコード会社も)このような志を持っていれば、シングル文化も廃れることはなかったんじゃないか……なんてことさえ僕は思ってしまうのだった。


             
(内本順一)