9月6日(土)


渋谷・Bunkamura オーチャードホールで、20th J-WAVE~LIVE AUTUMN。


出演は順に中孝介、元ちとせ、一青 窈、BONNIE PINK、CHEMISTRYの5組。+ゲストで古澤 巌(ヴァイオリン)。
ミュージック・ディレクターは羽毛田丈史。



先月、中くんに取材したときに、まだ内緒だけどこのイベントで元ちとせさんとの共演があると聞いていたので、それは観とかんと…と、行くことにする。
中くん、ちとせさん、ボニーと、いつも取材させていただいてる僕の好きな歌手が出演するというのも惹きだったのだが、観とかねばと思った理由がもうひとつあって、それは羽毛田丈史氏がこのイベント全体の音楽監督をつとめるということだったから。


羽毛田さんの多岐にわたる仕事の中では、僕は復帰前の鬼束ちひろの一連の仕事に関して絶対的な信頼を置いていた(余談だが、羽毛田さんから小林武史に代わってからの鬼束作品のアレンジは、僕にはまだしっくりこない)。
それと、もちろん元ちとせさんの作品。
とりわけ「この人はすごい」と改めて唸ってしまったのが、去年12月の元ちとせさんの“冬のハイヌミカゼ”。
そのライヴの音楽監督と全アレンジを羽毛田さんが手掛けていたのだが、どの曲も圧倒的にハイクオリティかつ深みのあるアレンジが施されていて、僕は驚いた。
このときのライヴは『カッシーニ』の初回限定盤にDVDとなって付いていたが、「あの羽毛田さんのアレンジが素晴らしかった」と僕が言うと、ちとせさんも「だから(DVDで)残したいと思ったんです」と話してもいたものだ。


その羽毛田さんによるアレンジと率いるバンドの演奏で、この日の出演者の曲の聴き心地がどう変わるか……というのが、このイベントの最大の味わいどころだっただろう。


そして、トップバッター・中くんの1曲目「花」の始まりの段階で、おお、やはりいい!と僕は引き込まれた。
いつもなら中くんの「もしも」という歌声始まりのところが、まず弦の音が響いて始まったのだ。


とまあ、そんなふうにスタートしたこの日のライヴ。
ひとり3~4曲ずつ自分の持ち歌をうたい、途中には中孝介と元ちとせ、一青 窈とCHEMISTRYの共演(←「ハナミズキ」)などもありながら進行していった。


それぞれの持ち曲の中で、そのアレンジと歌唱の理想的な合わさりという点において特に印象に残ったのは、中くんの「夏夕空」(特にアコギ)、元ちとせ「カッシーニ」、ボニーの「コットンキャンディ」と「ラスト・キッス」など。

ボニー楽曲と羽毛田さんのアレンジの相性に関しては最初イメージがわかなかったのだが、このドラマチック度数の高いバラード2曲はストリングスが実に効果的で、いい選曲をしたなと思いました。


そして、この日のハイライトといえば(これは羽毛田さんのアレンジは関係ないが)やはり楽しみにしていた中くんとちとせさんの共演。
ふたりが並び、三味線で「糸繰り節」を披露したのだが、いや、もう、さすが!
ふたりとも普段のポップスとは(あたりまえながら)喉の使い場所が違うわけで、声の出方が全然違っていてグイグイこっちに響いてくる。
そういえば同郷のこのふたりのステージ上の共演を僕はここで初めて観れたことになるのだが、んんん、また観たい。もっと聴きたい。


ラストは出演者全員が揃って、サザンの「希望の轍」を。
メインのところはCHEMISTRYのふたりと中くんが歌っていたのだが、中くんのコブシがかった「希望の轍」というのも、なかなか新鮮でした。



因みにこの日の客層はといえば、CHEMISTRY目当てらしき女性たちがかなりの数を占めていたようだったものの(ふたりの登場時だけキャーキャー声援が聞こえたりしてましたね)、女性ソロ歌手たちのファンでありそうな男性客もそれなりに多かったみたい。

帰り、トイレに並んでいたら、ボニーの曲のアレンジが新鮮だったみたいなことを話していた中年男性ふたりがいたりして、思わず耳をそばだてちゃいました。