9月4日(木)


サム・ムーア@南青山・ブルーノート東京。


3年連続で来日して同ベニューでパワフルなショーを見せているサム・ムーアさん。
RCサクセション、チャック・ベリーと一緒にやった横浜スタジアム以来、実に24年ぶりに観ることができたのが一昨年。

で、去年は行かなかったものの、今回また観たいという気持ちが高まって行くことにした。


一昨年の僕は「うわー、あのサム・ムーアがここにいるっ! しかもこんなにパワフルに歌っているっ!」という舞い上がりに近い感覚で観ていて、ただただ感激してしまっていたのだが、今回はもう少し冷静でいながらショー全体をじっくり味わったという感じ。

国際フォーラムの東京ジャズでは1時間前後のショーだったそうだが、ここでは2時間近くのショーを緩急つけてやってくれました。


で、改めて、ソウル・マンであると同時に、ショー・マンだなという感想も。
ショーとしての見せ方を心得ていて、実に運びがうまいのだ。
聴かせどころ、盛り上げどころ、泣かせどころ、笑わせどころをわかっているし、メンバーのいじりとか、ゲストとのやりとりとか、観客とのかけあい&触れ合い方とか、出てき方とか、(観客たちと握手しながらの)去り方とか、心の赴くまま……であるように感じさせながら、しかししっかりそのへんをコントロールしてもいる。
ベテランだからこそなせる技ですね。


以下、いくつか特に印象に残った場面を書いておくと。


ムーアさん登場前、「ピーター・ガン」に続いてのバンド演奏のみの2曲目「シャフト」。
それと中盤の「アイ・スタンド・アキューズド」。
これは先頃亡くなったアイザック・ヘイズへのトリビュートというわけだが、ヘンに感傷的に想い出話などして……ということではなく、ただ音楽に思いを込める、そのやり方がよかったです。


レイ・チャールズ曲を続けてやったあと、オーティス行って、そこから続いた「僕のベイビーに何か」。
このイントロが聞こえてきた瞬間、多くの観客も僕も心の中の場面が切り替わるというんですかね、なんというかこう祈るような気持ちになったっていうか…。
この曲のムーアさんの歌唱表現は本当にたまらんものがあります。
で、歌い終わると同時にスタンディング・オヴェーション。


さらにそこから「アイ・サンキュー」「ソウル・マン」へと続く、後半のアガリどころの流れ。
特に「ソウル・マン」のあのギターのイントロが鳴った瞬間というのは、まさに「キターーーっ!」という感じで、もうゾクゾクする。


そしてラストのビリー・プレストン「ユー・アー・ソー・ビューティフル」。
一昨年もこれには特にやられたものだったが、やっぱり泣けた。
ソウルだな、祈りだな、とつくづく思う。


あ、それからボビー・ウーマックの「ルッキン・フォー・ア・ラヴ」のとき、トータス松本さんが飛び入りで参加して歌ってましたね。
「観に来たら、歌えって言われて」みたいに言ってたので、まさに直前の話で歌うことになったのでしょう。
トータス、生き生きしてたなー。


あともうひとつ、「ソウル・マン」の間にスライの「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」を挿んだりもしていたけど。
スライね……。
僕は結局観ないことを選択したんだけど、同じブルーノートでのライヴ、ご本人は10分ちょいしか出なかったそうですね。
1時間50分のショーを全力で歌いきるサム・ムーアさんと、10分ちょっとのスライ・ストーンさん。
レジェンドのあり方もいろいろです。


オーバーナイト・センセーショナル/サム・ムーア
今回、トータスをフィーチャーした「ルッキン・フォー・ア・ラヴ」。この盤ではボン・ジョヴィがフィーチャーされてました。

THE DAY OF R&B/RCサクセション
82年8月に行なわれたこのライヴも僕は観に行ったものですよ。



↓こちら、一昨年のサム・ムーア公演の記事です。

http://ameblo.jp/junjunpa/entry-10020574112.html