昨日の記事の続きです。
8月16日(土)
横浜・日産スタジアムで、サザンオールスターズ。
(文中、いくつか今回のライヴで歌われた曲タイトルを書くことになります。所謂“ネタバレ”となりますので、今週末の公演を観に行かれる方は公演終了後に読まれたほうがよいかと思います。ご了承の上、ひとつ)
この日、天気予報では、夜、大雨になるとのことだった。
なので、リュックの中にはしっかりレインウェア。
ところが、公演中はまったく降られなくて、公演終了後の帰り道にチラッと降っただけという運のよさ。
始めは湿気がものすごくてムシムシしてたけど、スタジアムの2階席につくと意外と風がぬけて気持ちよく。
ある意味、これぞサザン日和。
日が暮れるにしたがって月がステージ左後方からゆっくり中央側へと移動し、輝きを増していくのもステキでした。
今週末も晴れるといいね。
開演時間は18時。
ウチらは40分前ぐらいにスタジアムに着いたのだが、物販売り場がとんでもない行列に。
並んでる人たち、これじゃ開演時間に間に合わないんじゃないかと余計な心配をしつつ、席でゆったり開演を待つ。
開演前。座席から。
もうすぐ開演時間だというのに、物販に並ぶ列がとんでもないことに……。
開演。
昨日書いた通り、最初は「しばらく休止するそうだし、久々に観ときますか、夏のイベントの一環として…」ぐらいの温度感で観に行ってたため、最初の3曲もそんな感じで、ウチらはユルい気持ちのままラクに観ていたのだった。
が。
その3曲のあとに始まったメドレーがやばかった。
「女呼んでブギ」に始まり、続いて演奏されたのが……なんと、まったく予想外だった「いとしのフィート」!!!!
「女呼んでブギ」はまだわりと演奏されてることを知っていたので驚かなかったのだが、「いとしのフィート」をやってくれるとは……クゥーーーっ。
しかも、ここでの演奏が、桑田さんのギターといい、えらいカッコイイ。
ここで僕、一気に前傾姿勢になり、さらに「お願いDJ」、そしてそれに続いたのがまたまた予想外の「奥歯を食いしばれ」だったこともあって、もうね、いきなり最初のピークが僕ん中にきましたね。
「キタァー、うわぁー、まじー、やっべー」
このときはもう、こんな言葉しか発してなかったもん、僕。
あとでみなさんが呆れるほどじっくり書くけど、要するにこのへんのド初期が、僕がもっともサザンを聴きこんでいた時代だったわけなんです。
21曲もを立て続けに一番だけ繋いで行ったこの最初のメドレー。
終わってから、桑田さんが「大事なこと言い忘れましたけど、今のメドレーは“青山通りから鎌倉まで”というもので……」と説明。
因みにそのあとのメドレーは“由比ヶ浜からキラーストリートまで”ということだったのだが、こっちはもう僕がサザンをそんなに聴かなくなってからのものであって知らない曲もいくつかあり。
最初の「青山通りから~」のメドレーが、僕のようなド初期のファンには、ある意味ハイライトと言えるところでもあったのでした。
因みにまわりを見渡すと、このへんの曲でこんなに盛り上がっている人はいなくて、最初から立って観てた人も逆にこのあたりで座り始めたりしていて。
僕より11コ年下のヨメも、この頃のサザンの曲を聴いたことがなかったらしく、キョトン。
ただ、あとでヨメはこう言ったもんですよ。
「昔のサザンの曲って、ずいぶんバリエーションあったんだねー」と。
「でっしょー」と僕は喜びましたね。
まだまだヘンな責任を背負う必要もなく、まったくもって奔放に自由に猥雑に好きなように曲を作って演奏して楽しんでいた頃のサザン。
その感覚はこの頃の曲展開やまさに曲ごとのバリエーションにそのまま反映され、それは初めてここで聴いたヨメにも感じ取れるぐらいのものであったと。
うむ。
ってなことに始まり、今回のライヴ、ホントいろいろ思わされることがありましたわ。
それにしても、この“青山通りから鎌倉まで”と題された最初のメドレー。
これ、そのあとの“由比ヶ浜からキラーストリートまで”のメドレーの、時間にして3~4倍はあったかと思う。
つまり、桑田さんにとってもバンドにとっても、30年やってきたうち、特にデビューから最初の数年間がいかに濃密で、いかにいろんな思いがあって残っているか。そんなことも窺いしれて、なんかね、そこも感慨深かったですね。
そういうわけで、僕も観ながら、昔のことがいろいろ甦ってきたりしたこのライヴ。
30年。
って、長いようだけど、30年前、つまり「勝手にシンドバッド」がでたときの自分のことを、僕はこの曲の衝撃とともに、今でもわりと鮮やかに思い出すことができる。
ということで、先週のライヴの話はひとまずおいといて、ここから30年前の「僕とサザン」ってなチョー私的な話をグダグダ書いていきたいと思います。
- 「勝手にシンドバッド」/サザンオールスターズ
僕がサザンのデビュー曲「勝手にシンドバッド」を初めて聴いたのは、NHK・FMでやってた甲斐よしひろの「若いこだま」(70年代だからまだ「サウンド・ストリート」になる前ですね)でだった。
甲斐さんが、とんでもないバンドが出てきた、これが売れなきゃウソだ、みたいなことを興奮気味に喋って、それで「勝手にシンドバッド」をかけたのだ(確か発売日よりけっこう前だったと記憶している)。
ラジオの前で僕はひっくりかえった。
ガッツーーーーーーンときた。
うわー、なんだこりゃ~~、だった。
その衝撃たるやもう!
僕の30数年間のポップ・ミュージック・リスナー歴の中で、恐らくそれは最大級の衝撃だったと思う。
こりゃやばい、とてつもない、時代変わっちゃうかも。
そう思った。
そんなふうに思った日本のアーティストのデビュー曲ベスト3っていうのが、僕の30数年間のリスナー歴の中でハッキリあって、それは何かというと……。
はい。長くなってきたので、この文、次回に続きます。
