3月5日(水)
表参道のYAMAHAで、上原ひろみにインタビュー。
チック・コリアとのライヴ盤『デュエット』が出たばかりなのに、5月には早くも新作を出しちゃう上原さん。
これ、HIROMI'S SONICBLOOMとしては『タイム・コントロール』に続く2作目になるんだが、今回はオリジナルソング集ではなく、初のスタンダード集。
とはいえ、そこは上原さんならではのスタンダード解釈であって、そりゃもう凄いですよ。ビックリですよ。ぶっとんでますよ。
取り上げているのは「キャラバン」「マイ・フェイバリット・シングス」といったジャズ・ファンお馴染みの曲から、ドビュッシー「月の光」、「上を向いて歩こう」、さらにはジェフ・ベックの「レッド・ブーツ」まで多種多様。
因みに、スタンダード集を作るというのは、このバンドの形になったときから思い描いていたことで、去年の『タイム・コントロール』のツアー中も、合間にはずっと今作の曲を練り上げていたそうな。
デヴィッド・フュージンスキーの変態的なギターは前作以上にウネウネしてるし、トニーとマーティンのリズム隊もなんだかもうとてつもないことになっている。
上原さんはスタジオでセッションしながら作るタイプではなく、まずは自分の中で完全に作り上げて、その楽譜をメンバーたちに渡すというやり方をしている人。
その楽譜が配られた時、メンバーたちはいつも仰天するのだそうで、最近は彼女の「今回はそんなに難しくないから」というような言葉も信用されなくなっているそうな(笑)
そして、そのぶっとんだアレンジのプレイを自分のものにするべく、メンバーたちはツアー中にも厳しい練習~リハを重ねていて、そのハードな練習は「ヒロミズ・ブートキャンプ」とも呼ばれているとか(笑)
ところで、僕が去年観た日本人による全ライヴの中でベスト1を挙げるなら、それは上原ひろみが12月に行なった東京国際フォーラム ホールA 公演。
このブログでは書きそびれたが、あの感動は忘れ難いものであり、今まで観た彼女のライヴの中でも間違いなくベストと呼んでいいものだった。
そのライヴの帰りに、僕は友達のTちゃんと飲んだのだが、彼はその時、こういったものだ。
「今の上原ひろみの凄さって、ジェフ・ベックが一番凄かった頃のあの感じを思い出させるよな」
まさに。
そんな話をしたことがあったから、ジェフ・ベックのまさしく“一番凄かった頃”に発表された『ワイアード』の「レッド・ブーツ」が今回、新作で取り上げられていたことに驚いた。
が、これは本当にずっぱまり。
因みに上原さんはジェフ・ベックの大ファンで、大ファンなだけにジェフ・ベックのギター・パートはフュージンスキーにやらせるのではなく自分がプレイしてしまったのだとか。
と、そんなことを話す彼女の、その嬉しそうなニコニコ顔といったら!
そんな彼女は去年、結婚したりもしたわけだが、家にいるときにも何時間でもずっとピアノを弾いている姿を見て、旦那さんからは「本当にずっとピアノ弾いてるんだね」と改めて驚かれたそうな。
はははは。
“らしい”話ですね。
5月14日に日本でリリースされる新作『ビヨンド・スタンダード』。
(USは6月10日発売)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2703868
ボーナストラックとして「リターン・オブ・カンフー・ワールド・チャンピオン」の、昨年12月の国際フォーラム ホールAでのライヴ・ヴァージョンも収録。
↓これはそのときのものではありませんが…。
http://www.youtube.com/watch?v=00fKuTD52gQ
こちら、Sonicbloomとしての初作。
タイム・コントロール/上原ひろみ~Hiromi’s Sonicbloom
こちらは1月に出たばかりの、チック・コリアとのライヴ盤。
4月30日の武道館公演も楽しみですな。
武道館公演の詳細はこちらから。


