書きそびれていたライヴ&取材日記に戻ります。
まずは先々週の土曜日。
この日は早朝から仕事をし、午後一にはもうライヴ。
夕方には取材をし、一度帰宅して再び原稿を書いて、深夜にまたライヴ。長い一日。
で、まず午後一から観たこのライヴのことを。
3月1日(土)
1時~
渋谷・Bunkamura オーチャードホールで、JVCジャズ・フェスティバル。
この回の出演は、ライアン・ショウ、ジャミン・ゼブ、インコグニートの3組。
僕のお目当ては、4月23日に日本デビュー盤を出すドレッド・ヘアのソウルマン、ライアン・ショウだ。
(金曜の夜もコットンクラブで彼のショーがあったのだが、わざわざ土曜のほうにしたのは、金曜は去年取材もしてずっと楽しみにしていたスティーヴ・ジャンセンのライヴがあったからだった。なのに、なんと僕はうっかりして、スティーヴのライヴは行き忘れてしまったという…。ああああ)
ライアン・ショウ。
ステージに登場してマイクの前に立ち、一息入れる間もなく歌い出す。
アイ・ワズ・ボ~~~ン・バ~イ・ザ・リ~ヴァ~。
サム・クックの「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」である。
この一声で、ガッとつかまれた。
すげぇ声。たいした声量の持ち主だ。
こんな曲を初っ端に持ってくるのは、「オレはオールド・ソウルをこの声で今に繋げるのだ」という意志の表明であり、アイマ・ソウルマンのアピールでもある。
フェイクはなく、古臭いと言われることを怖がらない真正面からのソウル唱方は清々しいほど。
バンドは、白人ギタリストに、黒人ドラマー、&ベーシスト。
3人だけだが、みなさんたいしたテクで、実に分厚い音。
ギターは、ハードロッキンな音でゴリゴリ弾きたおし、ときにガレージ・バンドっぽい音も出す。
そういう音で太いソウル声を響かせるライアン・ショウは、ウィルソン・ピケットやジャッキー・ウィルソンを引き合いに出して語られたりもしているようだが、僕が思い出したのはテレンス・トレント・ダービー。
ただ、テレンスほどハッタリを効かせることはなく、(よくも悪くも)非常に真面目なソウルマンという感じがしたか。
ビートルズ「レット・イット・ビー」なんかも歌ったが、なんといってもその歌ヂカラが爆発したのは、オーティス・レディングの「トライ・ア・リトル・テンダネス」。
ガタガタ、サケトゥミー ですよ。
僕がこの曲に親しんだのは……というかオーティスを聴きだしたのは、まずなんといっても上田正樹の影響だ。
キー坊のガタガタ サケトゥミーは、最高に色っぽかった。
そしてその次は忌野清志朗。
「トライ・ア・リトル・テンダネス」を誰よりもモノにしているのは、このふたりをおいてほかにいない。
ライアン・ショウは、この二人にはかなわないものの、それでも見事にこの曲をものにしていたと思う。
ただ、あんまりステージを動かないんだよな、この人は。
キー坊や清志朗のように、ステージ狭しと動き回って汗をとばしながらシャウトするのが、この曲の歌い方であると僕は刷り込まれているので、もっと動きゃいいのにとは思ったが。
まあでも、最近あまりいなかったタイプの、熱いソウル・シンガーだと思いました、ライアン・ショウ。
CDより、やはりライヴがいい人ですね。や、CDもいいけど。
続いては、ジャミン・ゼブ。
20代半ばの男性4人による日本のヴォーカル・グループ。
僕はここで初めて聴く。
バンドありの歌もあったが、完全にア・カペラで力を発揮するタイプだと思った。
とっても真面目に好きな音楽をやっている感じ。
で、トリはインコグニート。
ブルーノートのようなクラブで観たことはあったが、こういう大きなハコで観るのは初めてで、どう対応するのかと興味があった。
まずはブルーイ、出てくるやいなや、「そんなのカンケーねー。はい、おっぱっぴー」と一言。
ま、いっか。
今回のヴォーカルは、イマーニ、ジョイ・ローズ、トニー・モムレムの3人で、メイザ・リークはいない。
相変わらずの洗練されたグルーヴではあるが、何か物足りなく感じるのは、メイザ的なパンチ力がないからか。
ゲストとしてUKのダンス・グループ、The JazzCotech Dancersが参加し、ステージに華やぎをもたらす。
後半はお馴染みのヒット曲・代表曲を畳みかけるようにやって、会場、総立ちに。
ブルーイのMCも笑いと泣きをうまく混ぜたもので、巧みであるなという印象を持つ。
なにしろ、このグループは、日本で愛されている。
まだまだ長く活動を続け、日本にもしょっちゅう来ることでしょう。
↑これは、僕がライナーを書かせていただいた2005年作品。
因みに、インコグニート、4月に新作も出るそうです。
(キャニオンじゃなくなったのは、ブルーイが信頼するWヅさんが担当じゃなくなっちゃったからか…)


