1月21日(月)
ユナイテッド・シネマ豊洲で、映画『雨の翼』完成披露試写会+KUMAMIの弾き語りライヴ。
2月9日から同劇場ほかで公開される映画『雨の翼』は、ユナイテッド・シネマ「みんなの映画プロジェクト」のシネマプロットコンペティション第1回入選作をもとに、熊澤尚人(『ニライカナイからの手紙』ほか)が監督した、35分の短編。
なぜこれを観に行ったかといえば、音楽をKUMAMIが担当しているから。
KUMAMIくんのことについては去年から何度かこのブログにも書いているが、2月9日、いよいよこの映画の主題歌「雨の翼」でメジャー・デビューするシンガー・ソングライターだ。
http://www.emimusic.jp/amenotsubasa/
過去のブログの記事はこちらから↓
http://ameblo.jp/junjunpa/entry-10058008187.html
このデビュー・シングル「雨の翼」は“サウンドトラック・シングル”という言い方がされていて、つまりこの主題歌のほかにカップリングで劇伴も収録。
ヴォーカルの入った表題曲はデビュー曲にして彼ならではの世界観がギュッと凝縮されたドラマチックな傑作だが、カップリングの劇伴のほうもそれに負けず劣らずの仕上がり(とりわけ「涙雨~透花のテーマ」が素晴らしいです)。
インストゥルメンタルだけに尚更彼の作曲家としての才能がダイレクトに伝わってくる。
目をつぶるといろんな情景が立ち現れるそのインストなどを聴くと、これはヨーロッパとかでも評価されるものなんじゃないかというふうに強く思ったりも。
で、今回のこの映画上映は、“生映画”という言い方がされているもの。
どういうことかというと、映像に合わせて、その場でKUMAMIがピアノを弾くという試みなのだ。
予め録音されたトラックが流れるわけじゃないので、つまりKUMAMIのエモーションの揺れによって、その回その回で微妙にタッチも変化していくということでもある。
80年代にコッポラが『ナポレオン』を復元し、演奏つきで日本でも上映したことがあったが、日本人で、しかもピアノだけで映画に合わせて生演奏するという試みがなされたのは、恐らく初だろう。
監督、出演者、KUMAMIらの舞台挨拶~記者発表のあと、『雨の翼』上映。
映画は、主役のふたり=藤井美菜(『シムソンズ』ほか)と石田卓也(『グミ・チョコレート・パイン』ほか)が多くの言葉を喋りすぎないものなだけに、KUMAMIのピアノがふたりの感情の動きを繊細に、ときに躍動的に表現する。
それにしても映像にキッカリ合わせながら、同時に演奏に感情を込めるというのは、相当の集中力が要されると思うのだが……。
スクリーンの左端で演奏しているKUMAMIくんを見ると、むしろ気持ちよさそうなくらいの感じで弾いているようだった。
上映のあと、続いてKUMAMIのライヴ。
3月5日に発売される1stアルバム『but…life goes on』から「明日もし」「悲しい時、楽しい時」、そしてシングルのカップリングに収録された「キンモクセイ」の3曲をピアノで弾き語った。
暮れの何度かのライヴは、僕は風邪ひいたり出張だったりで行けなかったので、けっこう久々にナマで聴く彼の歌。
驚いたのだが、前にライヴで観たときよりもヴォーカル表現力がグンとアップしていた。
とにかく圧倒的な集中力で、曲に入り込んでいた。
ライヴハウスなどではなく、会場は映画館なのであって、いつもとは違う観られ方をしているにも関わらず。
いや、昔っから映画が大好きで(1日平均3本は観ていたそうな)、映画館で長いことバイトしたりもしていた彼にとっては、むしろ映画館という場所がホームのように感じられ、かえって集中力が高まったというところもあるのかもしれない。
とにかくこの日の彼の歌はものすごく心に響いてきたのだな。
特に、この映画の、彼なりの続編的な意味合いをもった「キンモクセイ」。
大好きだわ、この曲。
ところで、2007年、僕は才能のある若い作曲家ふたりと友達になれて、それは自分にとってなんだか嬉しいことだったりした。
Superflyの多保くん、そしてKUMAMIくん。
そのKUMAMIくんがメジャー・デビューするまで、いよいよあと2週間。
世の中が彼の音楽をどう受け取るのか、今から僕もワクワクしている。
