9月1日から、あの「追悼のざわめき」のデジタルリマスター版が公開されるそうだ。
1988年5月に今は無き中野武蔵野ホール(2004年5月に閉館)で初公開され、動員記録を含めていろんな伝説を作った80年代インディペンデント映画・最大の問題作(いや、大袈裟に書いてるわけではなく、本当に)。
内容は僕の拙い文でここに省略して書いても誤解を招きそうだし、伝えきれる自信もないので、説明しない。
公式サイトがあるので、そちらを見てほしい。
http://www.tsuitounozawameki.net/
トリノ国際映画祭に出品を予定されながらもイタリアの税関でストップがかかったり、試写を担当した映写技師が嘔吐したりといったこともあった問題作であり……なにしろ鮮烈すぎる描写は普通の人にはまさに嘔吐を誘うものでもあるので、「観たほうがいい」などと軽く勧めるつもりは毛頭ない。
おいそれとお勧めできるような程度のものではなく、なんというか……いや、こんな場所でどう書いたらいいのかわからない。
なので、書かない。
今回のデジタルリマスター版では、この映画に共感を寄せていた上田現さんの音楽が新たに加えられるのだそうだ。
そのあたりは気になるが、僕はまた観に行くかどうかはわからない。
これほど観る体力と気力が要る映画はほかにないから。
負けてしまうのだ。
「勧めるつもりはない」と言いつつ、ではなぜ内本がこの映画についてここで書いているのかというと。
僕もこの映画に微力ながらスタッフとして関わった人間のはしくれであるから。
当時のこの映画のパンフレットの編集を、製作の安岡卓治さんのもとで(本当に微力ながら)担当させていただいたのが、僕だったのだ。
そのパンフレットは、蛇腹折りで、所謂普通の映画のパンフとはかなり異なる形態のもの。
「映画評論」誌の編集長を長らく務め、カルト、インディー映画の紹介をし続けた映画評論家・佐藤重臣さんの遺稿も載せたものだった。
パンフレットの仕上がりは、映画公開日ギリギリで間に合った。
そして迎えた88年5月の公開日初日。
夜、劇場の近くの居酒屋でスタッフの打ち上げがあり、そこにも僭越ながら参加させていただいたのだが、そこで中野武蔵野ホールの初日最大動員を記録したという発表があり、みんな大喜びしていた。
そのときの場の雰囲気などは今もよく覚えているのだが、それにしても、88年ってことは、もう今から20年近くも前のことなのか。
なんだか不思議な感じだ。
今でこそ音楽ライターという仕事をやり、耳触りのいいソフトなポップスなども紹介したりしている内本だが。
若き日のアングラ志向がなんらかの形でこういう仕事にも繋がり、まさにアンダーグラウンドの極地的作品にこういう形で関わることができたことは、自分でもよかったと思えることというか、ある意味ではちょっと誇りに思えることでもあって、そのときお世話になった人にも感謝したい。
あのパンフレット、とてもいい出来だったと思うんだけど、今回のデジタルリマスター版公開時には、売られるのだろうか……?
映画『追悼のざわめき』デジタルリマスター版は、9月1日より、渋谷・シアター・イメージフォーラムにて公開。
繰り返し書いておくが、描写がエグすぎるので、このブログ読者のみなさんにお勧めはしません。
サイトなどで前もって調べて、それでも観たいという方のみ、観ていただければ、と。

