11月21日(火)
九段下・日本武道館で、エリック・クラプトン。
思い入れドップリなアーティストというわけではないのだが、なんだかんだで来れば観に行くし、ロンドンのウェンブリーなんかで観たこともあるクラプトン。
そして必ず、満足する。
基本的にムラがないというか、今回はダメだなというライヴをこの人がすることはまずないのだ。
品質保証マークがペタッとカラダにはりついているというか。
ただ、スリルを感じるとかカラダが熱くなるとか、そういうものではなかった。
もっとこう落ち着いて大人の妙技に感じ入ったり、ゆったりと曲に身を任せたり。
ここしばらくの彼のライヴはそんなふうに味わっていたものだ。
が。
だいぶ違ったんだなぁ、今回は。
余裕はもちろんあるのだが、それよりも“熱さ”を大いに感じたのだ。
大人なりの“ガッツ”を感じちゃったのだ。
だから、椅子に背中つけて深く座るというより、徐々にこう、前傾姿勢で僕は観ることになった。
正直、ブルーズ中心の前半はなんの曲かわからないものも少なくなかったんだけど、とにかく演奏にぐいぐい引き込まれてしまった。
繰り返すが、“渋み”よりも“熱さ”。
それが前に出てたのが今回のクラプトン(とバンド)で、わあ、かっこいいじゃないか、男じゃないかと、感じ入ってしまった。
それ、既にいろんなところで書かれている通り、今回はバンド・メンバーが一新されたことが大きくものをいっている。
主役の両脇に立ってギター弾くのは、クラプトンの希望でバンド入りすることとなったというデレク・トラックスと、ドイル・ブラムホールⅡ。
とりわけ今回、トラックスに注目してる観客も少なくなかったはずだが(僕のともだちのS氏も「オレはデレク・トラックスを観にいくんだ!」とはりきっていた)、なるほど、特に前半で弾きっぷりのよさが目立っていたのは、この男だった。
クラプトンはといえば、彼ら若手を前に出してどっしり構え……るのかと思いきや、途中からけっこう挑むように自分も前に出て弾きまくる。
わあ、いい作用を及ぼしてるぅ~。
それに、ウィリー・ウィークス(b)とスティーヴ・ジョーダン(ds)。
リズム・セクションが変わればこうも違うんだなぁと、当たり前ながらもそう実感させる、このコンビネーション。
こんなリズム隊の前でなら、そりゃ気持ちよく存分に弾き倒せるはずだ。
で、クラプトンはギターだけじゃなく、歌も熱かった。
こんなにガッツを感じさせるこの人のヴォーカル、あんまり聴いた覚えがない。
さらりと歌うんじゃなく、前にガッと声を放つ感じ。ちょっとロック歌手っぽくすら、ある。
今回は『バック・ホーム』のツアーだと聞いてたから、僕は最近またよくこのアルバムを予習がてら聴いていたのだが(真面目に行きの電車でもiPodで聴いてたんだが)、全然ここからはやってくれない。
それはちとさびしくもあったのだが、でも、いいですよ。
いろんな意味で、今回のライヴは新鮮だったから。
ああ、もう一回くらい観ちゃおっかな……。