『初めての児童養護施設』


晴れ渡る広い空


雲一つない青空


優しい風が吹く中


僕は、一大決心を胸に


向かった場所がある。


それは…『児童養護施設』


僕は…人生あまり『遅刻』をしたことが


ない。


この日も…お約束の時間よりも、


30分以上早くに着いた。


喫煙出来る場所を探して


缶コーヒーブラックを買い


煙草を吸って時間を潰した。


お約束時間5分前になり、


公園の水道でマウスウォッシュでうがい


『児童養護施設』の正門を見つめ


いざ、面接に挑んだ。


施設長との面接が始まった…


施設長が…『児童養護施設』の子供達


【9割】が…【虐待】経験者です。


つまり、【大人を嫌い】ます。


ですので、スタートは【児童】をメインに


【児童】のやりたい事に、【見守り】


【寄り添って】あげて下さいと言われた


のです。


僕は、施設長の話しをお聞きして…


分かりましたって返事をした。


そして、私の方からも少し『施設長』に


お話しが、あります。


少し、聞いてもらって良いですか?


『一大決心の時間』


僕は、本気だ。


だから、オープンにする。


私には、『心の病』があります。


私自身も、『家庭問題』に…


父からの『虐待』じみた事をされます。


そこで私が『色々考えて』面接に


こさせて頂きました。


御社にとって、私が『利益』になるか、


『不利益』になるか、わかりませんので


もし、御社での『採用』を決めて頂ける


のでしたら…


スタートは、『ボランティア』スタートで


大丈夫です。


そして…【即採用】が決まった。


スタートは、週2にしたのです。


本業も、あるからです。


一気に、気合いが入った。


僕の人生と照らし合わせながらの始まり


だった。


初日に出勤すると、『施設長』が言った。


新井さんに担当になってもらいたい児童は


この子(仮名ヒナくん)


当時、3歳でした。


私は、ヒナくんの背丈に合わせて


目線のレベル(高さ)調整をして


軽く、ご挨拶をしました。


ヒナくんは、落ち着きがないのか、


恥ずかしいのか…


人見知りなのかは、わかりませんでしたが


施設長の後ろへと隠れてしまいました。


でも、僕は…見逃さなかった。


ヒナくんは、『笑顔』だった。


不思議な感覚。


まず、施設長に案内されたのが、


『図書室』でした。


施設長が、だいたいヒナくんはこの部屋に


います。


分かりました。


そして、施設長から改めて本日より


宜しくお願い致しますと言われ、


こちらこそ宜しくお願い致しますと伝え


ヒナくんと二人っきりとなった。


『第1章…次週へと続く』