釘 (職人さんの知恵)
私が、新米現場監督の頃の話です。
当時、鉄筋コンクリート造の
老人ホームのディサービスセンター新築工事に配属されておりました。
まだ、コンクリート工事も終わってない時期で、
階段の端部がまだ完成しておらず、誰かがそこから落ちたら危険と
思い、落下防止の部材を取付けようと考え 桟木を コンクリート釘という
特殊な釘を使って、コンクリートへ打ちつけました。
しかし、釘を打ち込むと桟木 が 「 パックリ 」割れてしまいました。
2度目も、釘を打ち込むと桟木 が 「 パックリ 」割れてしまいました。
3度目の挑戦の時も、あともう少しという所でまたもや桟木 が
「 パックリ 」割れてしまいました。
心の中で私は、(ラスト一発金ヅチで釘を叩かなければよかったぁ)と
思いながら、コンクリートに釘を金ヅチで打ち込むのは結構
力 も必要なのでガックリしておりました。
そこへ型枠大工の親方が私に話しかけてきました。
「かんとくさん!!釘を桟木に打ち込む前に、釘の
先っちょ を2,3回金づちで叩いてみな!!」
私が、大工さんの言ってる意味がわからず (?_?)
キョトンとしてると大工さんがまどろっこしいと思ったのか
釘をコンクリートの床の上に逆向けに立てて釘の先端を
金づちで叩きました。すると当然釘の先端が少しつぶれます。
それから、普通に釘を打ちうけます。そして見事 桟木が割れずに釘が
打ち込まれました。 (*_*)
思わず 「 うそぉ~ 」です。
そして、私もその大工さんと同じように釘の先端を叩いてから
打ち込むと、桟木が「 パックリ 」という事にならず、釘を打ち込む
ことができました。
(注:釘先の尖ってる先端が少し変形するくらいに叩きます)
私は「 おやっさんなんで釘の先っちょを叩くと割れへんの? 」
と聞きました。
大工 「理由は、わからへん!!」
私 「えっ!」 (´Д`)
大工 「まあ、おまじないみたいなもんや!!」
あっ新しい 宗教か?
まぁそれは冗談ですが、皆さんも日曜大工の時とかに
木材に釘を打ち込む時、釘の先ちょを叩くと不思議なことに
木材 を割ることなく、釘を打ち込む事ができますよ。
ちょっとしたことですけど、職人さんの知恵って素晴しいですね。