釘-2(職人さんの知恵)
建築の工事現場は、とかくなにかと忙しい。
つねに施主さんからは早く早くという暗黙のプレッシャーを受ける。
私が現場監督1年生のころ
型枠というコンクリートを打ち込む為のパネル
を加工場で大工さんが作っていた。
現場の方が思いのほか作業が早く進み
パネルの加工が間に合わなくなりそうだったので
パネルを加工している大工さんにパネルの加工を早くしてくれと
急いでもらうように頼みに行った。
しばらくパネル加工している大工さんの作業をずっと見ていると
どうも釘を打つときに休み休みすこしづつ釘を打っている。
現場の血走った雰囲気が私の脳裏をよぎる。。。。思い切って。。。。
「もうちょっと早くしてくれへんかなぁ 現場のほうで手待ちになるんや!」
☆言い切った自分がカッコイイ☆
が、しかし
「仕事もろくすっぽわからんくせにじゃかましいっ!!」
彼は大きな型枠ハンマーを持っている。。。。
☆正直こわい☆
しかし、本物の仕事をしている職人の凛とした声だった。
私が、現場との板挟みにあって半泣きになって困っていると
大工さんの 『 やさしさ 』 がでたのか
「釘のほんまの打ち方しってるか?」と聞かれた。
「そんなふうに休み休み打ったらええん?」と私
「じっくり時間をかけて心を込めて打たな釘は効かへんねや」と大工
そう言うと大工さんは、トントンと手早く釘を一本打った。
前のゆっくり打った釘と手早く打った釘を釘抜きで抜き比べてみろと
大工さんは私に言った。
私は釘抜きを手にとって釘を抜いてみた。。。
手早く打った釘はすぐに抜けたが、じっくり打った釘は中々抜けず
釘を抜くのに苦労した・・・・
私は、大工さんの言いたいことを理解した。
「わかりゃいいよ、間に合わなかったら残業するから
それでも間に合わなけりゃ明日早出して絶対間に合わせてやるよ」
私は手に職を持つ職人さんによって建築は支えらていると思います。
この大工さんは高知出身の方で長い付き合いをさせて頂いてます。