『松本くん。』

姉ちゃんとの電話を切ると

後ろから声を掛けられ振り向いた。


『やっぱり大野君のこと知らないって』

と、寮長室に掛けていったルームメイトが

息を切らしながら教えてくれた。

彼と一緒に武田もいて

『大野くんどうかしたの?

いなくなったって本当?』

と、心配そうな顔。

智は、あんなに仲がいい武田にも

黙って出ていったんだと思うと

智の覚悟が伝わってきた。




もう、見つけられないかもしれない…………



絶望している俺に

『松岡先輩と一緒に出掛けたんなら

先輩が居場所知ってるんじゃない?

大学に行ってみようよ。』

と、武田が言い出す。

『でも、智と出掛けてるから

大学には先輩はいないだろうし………』


『でも、誰かが何かを知ってるんじゃない?

こうしてたって始まらないよ。』

と、走り出す。

『そ、そうか。

そうだよな。

い、行こう。』













『え?

松岡?

あいつなら退学届け出てるはず………』

そう教えてくれたのは

松岡先輩の友達の国分さん。

『確か、語学留学するって言ってたよ。

学園の寮も引き払ってるし……

松岡となんかあった?』

と、俺たちが慌てているのを見て

不思議そうに教えてくれた。




俺たちがここに来た理由を説明すると

『ごめんな。

俺なにも知らないわ。

役に立てなくてごめん。

あいつ落ち着いたら連絡するって言ってたから

連絡きたら知らせるよ。

それじゃあ遅いか?』

と、言ってくれたけど

俺たちは智に繋がる伝を完全に失ってしまった。








智に繋がる道が無いまま一週間。



姉ちゃんからの電話が来て

智からお金が送られてきたと言う

そこには手紙も一緒に入っていて


お世話になったこと

知らない土地に行くので

もう、松本家には迷惑をかけません。

心配しないでください。

と、書いてあったとのこと



消印は東京都だったと言う。






東京にいるんだろうか?





俺には東京にいるとは思えない。




どうやって探したらいいのかわからない。





智……………………





もう一度…………………





お前に会いたい………………




会って謝りたい。




姉ちゃんが言ったこと………




彼女たちが言ったこと……………




俺の気持ち……………






でも、そんなの智には

関係なかったんだよな。