その日のスケジュール。

あたし→深夜2時まで用事

彼→深夜1時まで用事

その日、あたしと彼は会う約束をしていた。

遅いあたしの帰宅に合わせて、彼はカフェで約1時間待っていてくれた。

「遅かったよ。すごく待ったよ」という文句は言われなかった。

だけど、「今日は疲れちゃった。すごく眠たいから早く帰ろう」と言われた。

文句を言われたほうがずいぶん楽になるのに、とあたしは思った。

彼はあたしの家の鍵を持っていない。

だけど、あたしに会いたいから待っていてくれる。

待ち合わせをして手をつないでタクシーに乗り込み、話をしながら一緒に帰った。

繋いだ手が冷たかったことと、

彼の顔が疲れていることに、

あたしは、胸がチクリと痛んだ。

それから朝方寝て、睡眠3時間で彼はまた仕事へと行った。

朝の9時に家を出て、「3時には終わるから、デートをしよう」と彼は言った。

あたしは、ご飯を食べずに待っていた。

3時はとっくに過ぎており、

「もう少しかかりそう」だと彼からのメールを見て、

「お腹すいたー。まだですかー?着替えて待ってるね」と彼の留守電に入れた。

彼から電話がかかってきたのは、夕方5時でした。

「ごめんっ!!本当にごめん!仕事が長引いちゃって。怒ってる?怒ってる?」とビクビクしながら電話をしてきた。

あたしは自分の空腹よりも、

寒いのに1時間待たせた上、

睡眠時間3時間のあとのハードスケジュールをこなした先生の体が心配だった。

「どうして?そんなことで怒らないよ。それより眠たいんじゃないの?デートはやめてお家でゴロゴロしてようか?」と言うと、

「いーや、今日はデートする。行きたいとこあるって言ってたじゃん!」と言ってくれた。

「じゃぁ、先生頑張ったからお礼にご飯はご馳走してあげる」と言うと、

「まじ?れいかが頑張ったお金で食べるのなんておいしいご飯になるね」と言って喜んでくれた。

行きたいところへ着いた。

ゲーム売り場。

チンプンカンプンの先生を置いて、

あたしは一人グルグルと店内を徘徊し、

先生は、「これがいい!」とスポーツ系ソフトばっかりもってくるので、

「やだっ!」と、あたしは全部却下した。

あたしはゲームソフトを選び、

先生に「これとこれにする」と言うと、

先生は、頷きながら「いいんじゃん??」とあたしに言った。

・・・・・“いいんじゃん?“って・・・、何のソフトか知らない癖になぜか太鼓判?

それから、ゲーセンと本屋さんに行き、食事を食べた。

「ねぇ、先生、おごるって言ったけど、今日色々使っちゃったみたいで、今財布みたら、予想外だよっ!!千円しかなかった。ATMどこかな?」と言うと、

「いいよ、いいよ。俺が出すから」といわれて・・・、

あぁ、あたしってダメな彼女。。

それから、

新しい本と、

新しいゲームを買った、

帰り道の車内、あたしはずっとワクワクしていた。

CDや本やゲームを買った帰り道と、

TUTAYA帰りは、

まるで宝箱をあけるようなワクワクドキドキ感が味わえる。

あたしはこの感覚が好きだ。

そんなあたしを先生は、

「れいか、ご機嫌?ご機嫌だね?」と笑顔で聞いてくる。

「ごっきげーーん!!」と言うと、彼はニカと笑った。

家に着くと、

待ちきれないあたしは、

包装をビリビリ破り、

プレステのスイッチを入れ、ゲーム開始っ!!

最初は二人でやってたけど、

そのうち熱中しすぎて、

彼、途中、落下。。。

すでに寝ちゃった彼をほったらかして、あたしゲームクリアに没頭中。

1時間くらいして飽きたところで、

ベッドで寝ている彼の横にもぐりこむと、ベッドがとても暖かかった。

夜、話をしていたら、

なんだが、また腹が立ってきて、

一緒に寝ているベッドから、

彼を蹴落とそうとするあたしに、

いきなり体に噛み付くあたしに、

バシバシ体を叩くあたしに、

「どうしていつもそうなるんだ?何に怒ってるの?ちゃんと言わなきゃわからない」という彼と、できれば察してくれ!と思うあたしと、真っ向から衝突。

「あぁ、腹立つっ!」とあたしが言うと、

「俺のが腹立つしっ!!」と彼。

う~ん、、、納得!!

と妙に納得するあたし。

よし、“仲直り”しよう、と思い、「もう怒ってないよ♪♪」と言うと、

彼はすぐに「ごめんね」と言った。

「いいよ」と言うと、

「いいよじゃないでしょ?“ごめん”は?」と言われたので、

「ごめんとか思ってないけど、ごめんね」と言ったら、

「はーーーー、なぐりてぇ(笑)」と深いため息。

ごめんね、先生。

あたし、悪い子で。

だけど、先生のこと好きなことは本当だよ。

好きだから、嫉妬ばっかりしちゃってごめんね。

この日、

「エリカはいつか俺を捨てるんだ。その覚悟はできてるよ」と言われた。

先生の顔が、とても悲しそうな目だった。

あたしは、先生がそう思いながらあたしと付き合っていたことを考えるだけで、

とても胸が苦しくなって、

喉の奥がキュッと狭くなって、熱くなった。

あたしは先生を大事にしたいのに、

そんなことを思わせてしまっているなんて、

彼女失格だ。

一番好きな人を、

幸せにできないなんて。

一番好きな人を、

悲しませているなんて。

先生のその言葉を聞いてから、

ずっとずっと、呪文のようにあたしの頭を、

その言葉がグルグル張り付いている。

あたしが悲しんでいると、

あたしが泣いていると、

あたしが傷ついていると、

いつでも先生は、あらゆる手段を使ってあたしを笑顔にしてくれた。

あたしは、何もできていない。

先生に我慢ばかりさせていて、

そのうち爆発して、

「お前なんかもういらねーよっ!」って言われないように、

あたし、先生を大事にしていきたいと思いました。

そんな言葉だけでは、

先生の気持ちが晴れるほど、

簡単なことではないだろうけど、

これから、あたしの気持ちが伝わればいいと思っています。

今までは、相手に裏切られることが怖いと思っていた。

今も怖い気持ちは変わらないが、

怖いと思うモノが変わってしまった。

今は相手に裏切られることよりも、

自分が相手を裏切ってしまうことのほうが何倍も怖いと思った。

先生は、「エリカには俺よりもいいやつがたくさんいる」と言うけど、

先生は自分の偉大さに気づいていない。

先生ほど優しくて大事にしてくれて、愛をいっぱいくれて、

安心できる場所は、そうそうないのだ。

先生がどう思っているか知らないが、

あたしは、こんなにぴったりな人、もう見つからないと思っている。

先生もあたしと同じように思っていてくれたら、

それは奇跡だと思う。