読書記録(83)

オリガ・モリソヴナの反語法 / 米原 万里著

 

 

 

(データベースより 紹介引用)    

 

第13回Bunkamuraドゥマゴ文学賞!受賞作品!

 

1960年代のチェコ、プラハ。

主人公で日本人留学生の小学生・弘世志摩が通うソビエト学校の

舞踊教師オリガ・モリソヴナは、その卓越した舞踊技術だけでなく、

なによりも歯に衣着せない鋭い舌鋒で名物教師として知られていた。

 

大袈裟に誉めるのは罵倒の裏返しであり、けなすのは誉め言葉の代わりだった。

その「反語法」と呼ばれる独特の言葉遣いで彼女は学校内で人気者だった。

 

そんなオリガを志摩はいつも慕っていたが、

やがて彼女の過去には深い謎が秘められているらしいと気づく。

 

物語では、大人になった志摩が1992年ソ連崩壊直後のモスクワで、

少女時代からずっと抱いていたそれらの疑問を解くべく、

かつての同級生や関係者に会いながら、

ついに真相にたどり着くまでがミステリータッチで描かれている。

 

(省略)
 

読み終わったあと、

ときにフィクションのほうがノンフィクションよりも

多くの真実を語ることができる、ということに気付くに違いない。

 

(引用終了)

 

 
書評家の三宅 香帆さんが、
 
「世界中、誰にでもおすすめできる小説ってある?」
そう訊かれたら、私はこの小説を挙げるって決めています。
「名誉」としか言いようがない小説なのです。
 
と、答えていらっしゃいます。
 
 
こんなにもキッパリとした言葉を聞くと、もう読むしかないよね!
・・・ってなり、興味津々で読み始めました。
 
 
そして読後、三宅 香帆さんの言葉の意味がしっかりと理解できました。
 
まさに!名誉としか言いようがない小説だと私も思います。
 
 
この小説を読むことで、 
ソビエト崩壊前のスターリン時代がいかに過酷なものであったか。
そして、その中でも強く逞しく生き抜いていた人々が存在していた!という
事実を知ることができました。
 
個々人に及ぼしていた影響や、ロシアの歴史がわかります。
現在のロシア事情を理解するためにも必要な内容なのだと感じました。
 
 
三宅 香帆さんは、書評の中でこう語っていらっしゃいます。
 
歴史の授業だったら「このときは民衆が非常に苦しんだ時代でした」という
20文字で済まされる時代。
 
その時代の中でも、当たり前みたいに一人ひとりは恋をしたり踊りを楽しんだり、
つらいことに抗おうとしたりして生きてたんだ、ってこの小説を読むと知ることができる。
 
 
 
どんな時であっても人は希望を持って生きている・・・
人間ドラマを見させていただきました。
 
 
また、私自身の無知さにも気づき、
平和ボケしてるであろう思考にもため息が出つつ、
もっともっと世界や歴史を知る必要がある!
それは、心ある人間として、人間らしくあるために!
 
という思いが募りました。
 
 
また、物語の中で語られる「反語法」・・・
愉快で痛快でした。
 
 

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