「いらっしゃいませ~。あれ、このお店初めてぇ?」
「…!」
「はい。たまたまここ見つけて…」
「よくぞ見つけてくれた(笑) ささ、座って座って!」
さっき会った二宮くんと、また遭遇しちゃった…。
「あ…れ?長谷川さん?」
「お、なに。知り合い?」
「さ、さっきぶりですね!」
「さっきぶり(笑) え?長谷川さんてこのお店で働いてるんすか?」
「そうだよ~。夏架ちゃんが来てくれるおかげで売り上げアップするからね(笑)」
「へぇ~!」
「あ、私飲み物出しますね?」
「うん、お願~い」
二宮くんがお店に来ただけで、なぜだか心臓がバクバクしてうるさい。
「いいお店ですね~。キッチンとかもすごい…。」
飲み物を注ぐ私の手元を覗く二宮くんを、つい意識してしまう。
「じゃあ、二宮くんにはオイラがホットケーキ作ってあげちゃう!」
「まじすか?ありがとうございます!」
「少しお手伝いしてね?」
「もちろんです!...あ、長谷川さんも手伝ってくれますか?」
「あ~、夏架ちゃんね~実は料理苦手なんだよ(笑)」
「ちょっ、大野さん!!」
二宮くんの前でやめてください~!!!
「え!以外!すごい上手そうなのに…」
「見た目からは想像出来ないくらい素晴らしいもの作っちゃうんだよね~」
「う...ひどい…」
そんなことを話しながら、キッチンに並ぶ二人を眺めていると二宮くんが手に取った卵。
それをいとも簡単に片手で割ってしまった。
「すごい...」
つい心の声が漏れてしまった。
卵を片手で割るのは大野さんもできるけど、なんでだろう...すごく...見とれてしまう。
「いつもお料理...するんですか?」
「あ、俺今行ってる高校通うために一人暮らししてるんすよ。だからたいていは自炊です」
「一人暮らしかぁ...。採用だな...。うん、採用!!」
「え?」
「さ、さいよう?」
「二宮くん、ここでバイトしてみない?」