手術翌朝、ようやく朝ごはんが出てきた。
お粥だったけど…。
いざ食べようとすると、思うように口が開かないことに気がつく。
それだけじゃなくて、噛み締められない。
なるほどね、そう思いながら食べた。
味気ないお粥が食べられなくて、ふりかけかけまくってなんとか。
この際あまり食べなきゃいいのに、無駄にきちんと食べれるアピールして、早く退院したかった。
気持ちはもう、やることやったし帰る方向一直線。
身体を起こす、横になる。
この時、人って首に力を入れて支えているわけで、それが全くできない。
なので、片手でベッド柵をつかみ、片手で頭を支えながらじゃないと起きる寝るができなかった。
痛みはあるような、ないような。
薬のむほどじゃないけど、常にそこに居座る不快なもの。
傷口に挿入されているドレンからは、血性のものが少しづつ流れてきていた。
トイレ帰りに傷を見ようと鏡をのぞくが、実はよく見えない。
傷全体にラバー状の保護剤が貼られていて、なぜか下部分はフリーなもんだから、ラバーのスカートが耳周りにくっついてるかんじ。
ちゃんと耳はついている。
ただ、右の倍に腫れていた。
耳たぶの感覚はない。これは一生戻らないだろうと言われた。
上半分に触れると、ザラザラするような、痺れるような感覚があった。
目を閉じても、耳の場所って普通はわかるよね。
手を伸ばせば触れることができるはず 。
それが全くできない。
何日すぎても、あるはずの耳は、自分のものではない気がした。
3日後、ドレン抜去。
でも退院は、まだまだできないらしい。
結局9日間も入院となった。
ドレンが抜けてからは、洗髪もでき、毎日シャワーできた。
途中で終わってた韓国ドラマをみたり、無心にゲームをし、今年度のEラーニングを終わらせた。
有り余るはずの時間を、有意義に使わせて貰ったと思う。
まだまだ腫れはひかない。
口は大きく開けられない。
硬いグミは噛めなかった。
痛みはほとんどない。
ただ、とにかく耳がおかしい。
借り物の耳、耳に水が入ったような変な感覚がある。
他はとても元気。
そんな状況だった。
入院先の病院は、職場から近い。
スキップしたくなる気持ちで退院を迎えた。
そのまま職場にいく。
実は私、自転車で入院していた。
みんなに止められたのだけどね。
つまり自転車で帰らなきゃならなかったのだけど、片耳がおかしな状況で、うまく平衡感覚をつかめない。
これは、まずいことになったぞ。
やっぱりこの耳、何かおかしい。