忙しい季節がやってきた。
我が家はお菓子屋、それも卸が主の。
だから和菓子も洋菓子もなんでもこなさなきゃいけない。
私がこの家に嫁いで来た時は、20人近い従業員がいて、とにかく残業残業と商売繁盛だった。
その頃から、このままの商売方法でいつまでこの売上を維持できるのか?と疑問だったけど
やっぱり、そんな時代はやってきたと思う。
従業員は一人減り、二人減り。
今では二人のみとなった。
これでは繁盛シーズンは闘えない。
そこで登場するのが家族…といっても私と娘。
もう正月菓子を作り始める時期になった。
せっかくの休みも手伝いに明け暮れる。
たしかに身体は疲れる。
でも、気持ち的には楽かな。
出来なくても出来ないと堂々と言えるし、あーしんどいって言葉にしても許される…ような気がするから。
毎日、自分の仕事が終わって帰宅後と休日を全て持っていかれる辛さ。
しかも不器用な私。
やっぱり、辛いかもしれない。
さらさらとした練りきり餡。
白餡嫌いな私には、この匂いが苦手。
亡くなった義理父は生菓子の職人だった。
ふんわりした手つきで、くるくると餡子をまわすと綺麗に形作られた上生菓子。
それを見るのが好きだった。
「お母さん、ベタベタ触っちゃだめですよ。菓子はあまり触っちゃだめ。優しく、優しく」
何度も何度も教えて貰ったけど、やっぱりできなかった。
あの手をもっとちゃんと覚えておくべきだったと今になって思う。
これは津軽の餅。
頭が割るほど甘い。
この「うんぺい」を巻く旦那の手も優しい。
黙って眺めてしまう、引き込まれる。
そして、私は根っから繊細さに欠けた人だと痛感する。
いつ商売をたたもうか。
そんな話も出る昨今だけど。
「美味しいんです、どこに行けば買えますか?」
そんなメールを目にする度に、もう少し頑張ろうかと思う毎日。
今年も、年末ギリギリまで走り抜ける。
※画像ネットよりお借りしました。

