忙しさは人の心をこんなにも破壊してしまうなんて。
破壊ではないな。
硬化。
頑なで、柔軟性がない。
まっすぐにしか転がれず、同じ方向に進んでいかない。
…といったかんじ。
みんながやさぐれて、みんなが意地悪で、みんなが気難しくて、みんなが攻撃的で。
もちろん私もなんだけど。
もう20年くらい、出版を楽しみにしてる小説がある。
作者は外国人。
フィクションなんだろうけど、ものすごく緻密に書かれた本。
初めて読んだのは母の勧めだった。
「久しぶりにどっぷりはまる、先が読みたくなる本みつけたの!」
分厚い本を3冊も送ってくれた母。
私は本を読むのが人より早い。
みなさんもご存知、ダビンチコード。
これもほぼ一晩で読み終えた。
ムシャムシャと読み進んでいく。
でも、大好きなこの本はそうはいかない。
登場人物や背景を遡ったり、息が詰まりそうな緊迫感に本を閉じることもある。
専門用語も多くて、調べることも。
ギュッと内容が濃密な本だから、最近は年に一作品のみ。
それを心待ちにしている。
毎年、年末に発売されるその本を本当に心待ちにしていた。
本物のクリスマスプレゼントのよう。
今年は年始に発売となり、たった今、読み終わった。
相変わらず、かなりの情報収集をして書いた本だと思う。
それでも、何か手に汗握る感が少なく思えた。
主人公の女性像にピッタリな美しい筆者。
もう、それしか想像できなくなってる。
彼女もそれなりに年齢を重ねてきたんだろう。
なんとなく、キレを感じなかった。
青森と札幌間を、わざわざ送らなかったって現地でいくらでも購入できるのに
母は毎回読んだ本を送ってくれた。
薄い本が嫌いで、短編集なんてもっての他だった母。
私もページ数の多さで本を買うようになった。
宮部みゆきも、東野圭吾も、伊坂幸太郎も、もちろん村上春樹も全部読んだ。
小学4年生の時、暗がりのベットの中で初めて読んだ小説が横溝正史。
学校の図書室の江戸川乱歩を全て読破。
子供のくせに、怖さが足りない!と母の本棚からこっそり持ち出した本が八つ墓村。
目を閉じるとリアルな世界が広がる本の世界。
たぶん、そこが私の一番の世界かもしれない。
家を建てる時。
大きな本棚を大工さんに頼んで作り付けてもらった。
小さな小さな書斎スペース。
でも、いざ引っ越すと収まりきれないほどの本の量だった。
さらにもう一つ本棚を作ってもらった。
今はその前にダンボールを置いている。
手放すことができずに。
でも、また読むわけでもなく。
映像ばかり眺めてた最近。
やっぱり本はいい。
いろんな出来事がある、あった、あるだろう。
人は小さな目標や、小さな楽しみがあるから進んでいける。
また、本を読もう。
カラフルだったり、オドロオドロした世界に、どっぷり浸かりたい。