自営業の方や、バリバリ働いているサラリーマン(サラリーパーソン?)の方が読むとムッとするのかもしれませんが、サラリーマンは、簡単に代替できるという前提で雇用制度が設計されていると思います。サラリーマンの世界において「私がいなければこのプロジェクトが回らない」ということは無く、仮に翌日からそのメンバーがいなくなっても、仕事が回る仕組みを作っているのが、サラリーマン雇用の設計思想なのだと思います。

 

この仕組みは、一部上場企業(今では何と呼ぶのでしょうか)の社長の中で、いわゆるサラリーマン社長においても、同様な設計であろうと思われます。

 

最近、転職サイトの広告をよく目にするのは、私の興味をWEBが参酌した結果なのかもしれませんが、サラリーマンの「ピース化」はさらに加速され、サラリーマン一人ひとりに対して、評価パラメータに基づく値付けが行われ、ロールプレイングゲームのキャラクターのように、数値化されていると思われます。

 

これは、会社内の評価システム、キャリアシート、出勤管理簿など、従来社内で独自に運用していたシステムが外注されるようになった3年前くらいから加速化していると思われます。私はあまり社外のことを知りませんが、トラディショナルな日本企業に勤める方で、私と同様なインフラ変更に、違和感を持た方は少なくないと思います。

 

サラリーマンの流動性は、働く人々の自由度を上げる良い仕組みかと思いきや、派遣労働の自由化と同じような現象が、サラリーマン社会でも発生するのかと思います。この際、「サラリーマン」という言葉は、「正社員」に置き換えても良いかもしれません。

 

私が体調不良で仕事に穴を開けても、大概のことは他の人がその仕事をできてしまいます。アナログな時代は仕事の進捗がわかりづらかったですが、今ほとんどの仕事は進捗が公開されているに等しいと思います。クラウドサービスに企業が移行した途端に、仕事の共有化、可視化が加速したと思います。仮に個人がノウハウを秘匿したとしても、個人の行動履歴、メール、作成したファイルから、簡単にノウハウを抽出できます。

 

生成AIの台頭も、サラリーマンのピース化に寄与します。今、生成AIの教師となっている方々は、生成AIに仕事の引き継ぎを行うという心構えで、生成AIのトレーニングをした方が良いです。トレーニング後、あなたの仕事がなくなってしまうとしても。

 

代替可能なピースにならないための戦略は、「好きなことを極める」ことなのでしょうが、私も成功事例をほとんど持ち合わせていないので、皆さんに偉そうなことは言えません。私は書く事が好きなので、このブログなどで成功事例を得られたら、共有したいと思います。