War as a sovereign right of the nation is abolis | おちこぼれ大学教員の毎日

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毎日をのんべんだらりとすごす、ダメ教師の日常を赤裸々に語った世紀の問題日記! アカデミックというより育児が中心か?

仕事柄、頻繁に、永田町の国立国会図書館に文献調査にいきます。

国会図書館は、最近、所蔵資料の電子化に積極的に取り組んでいて、
たとえば、坂本龍馬の船中八策の資料など、電子化されており、
インターネットを通じて閲覧することができます。

なかには、国立国会図書館の館内でのみ閲覧できる図書資料などもあり、
インターネットを通して、自宅でも閲覧できればいいのにな、と少し
残念に思いつつ、同時に、20年前の国会図書館と比較すると、格段に
利用しやすくなったなと、喜ばしく思ったりもいたします。

研究を始めたばかりの大学生だった頃は、国会図書館に行くとなると、
一冊の資料を、出納し、複写(コピーではないw)し、と一連の作業を
すますのに、一日がかりでしたが、最近では、すべてが効率化され、
しかも、かつては高飛車だった、図書館員のかたがたも、みな、一律に
腰が低く、「お客さま!」と呼びかけられるようになっています。


国会図書館が公開している電子展示に、「日本国憲法の誕生」があります。
戦後GHQ関連文書の多く(プランゲ文庫はじめ)は、国会図書館に所蔵
されており、それらをもとに、電子化、公開しているものです。


「日本国憲法の誕生」(国会図書館)合格
http://www.ndl.go.jp/constitution/


最近、すっかり長男への憲法教育にはまっており、ひさびさに、
電子展示「日本国憲法の誕生」を閲覧しておりました。

そのなかで、もっとも気になるのが、タイトルにもつかいましたが、
GHQによる、Drafts of the Revised Constitution(改正憲法草案)です。


http://www.ndl.go.jp/constitution/shiryo/03/147shoshi.html
http://www.ndl.go.jp/constitution/shiryo/03/002_47/002_47_003l.html


これを見ていると、日本国憲法が、GHQ原案の「直訳」であることが
ほんとうによくわかります。
たとえば、憲法第9条(戦争の放棄)の条目、草案はつぎのとおりです。

War as a sovereign right of the nation is abolished. The threat of use of force is forever renounced as a means for settling disputes with any other nation. No army, Navy, Air Force, or other was potential will ever be authorized and no rights of belligerency will ever be conferred upon the state.

翻訳は、日本国憲法第9条を御覧くださいむかっ

「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」(第9条2項)

ほぼ直訳叫び


これをみると、私は、戦後、憲法改正に関わった、松本烝治以下の日本人の無念を思い、切なくなりますダウン

私は、決して、憲法改正論者ではありません。
日本国憲法のその気高い理想は、崇高なものであると考えていますし、現実と乖離する側面があったとしても、理想は、これぐらい高いほうがいいだろうと考えています。
現実べったりの憲法なんて、正直、気持ちが悪いです。
現行憲法の理念が、戦後の我が国を反映に導いたことはまちがいありませんし、それを否定する気は毛頭ありません。

ですが、やはり、切なくなる。いや、さらにいうと、気持ちが悪くなります。

だって、この憲法は、日本語で書かれたものではなく、英語で書かれたです。
文章は、完全に英語レトリックによるものですし、日本語としては、極端に不自然だと
私には思えてなりません。

たしかに帝国憲法は、プロシア憲法を下敷きにして制定されたものでした。
ですが、文章は、漢文調の、あくまでも、東アジアのレトリックによるものです。

小学6年生で、日本国憲法に初めて出会い、「わけがわからん」と思う子どもたちは、
素直な感覚の持ち主なんだと思います。

この文章は、日本語ではありませんから。
日本語の皮をかぶった外国語です。


繰り返しますが、自由民主党がいうように、憲法の内容を大幅に改正する必要はないと
私は考えています。アメリカ合衆国憲法のように、Amendment(修正条項)を加えていけばいいのではないでしょうか。自衛隊や集団的自衛権のことは、Amendmentで十分だと思います。

た だ し 、文章はなおしましょう。
直訳調の文章には、辟易します。

と、子どもと一緒に、今日は、憲法批判をしておわりました爆弾



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