My name is Benny -7ページ目

My name is Benny

しがない暇潰し

地下鉄の駅のホームで、地味な見た目の女学生三人が、一人反対方面へ帰る子を見送っていた。
見送られた子は多分ベトナムだかからの留学生で、俺のすぐ傍でずっと笑顔で手を振っていた。
思うに同じゼミかなんかで仲良くなった連中なんだろう。
正直ゼミってのもよく分かってねぇけど、きっとそうだろ。
留学生の子が俺の目の前でスマホを展開すると、そこにさっきまで楽しく酒を飲んでいた遠景がスライドしたのが目に留まった。
さっきホームで見送っていた子らも含めて、冴えない女の子が四人で写っていた。
俺も程度の知れた人間だから、容姿で人を判断してしまうところがあって、彼らは楽しそうにしてるのに、何だか物悲しく可哀想にと勝手に思ってしまう。
ガツガツしてる連中ってのはどこにもいるし、サークルでワチャワチャやってる奴等とか、そういうのとは無縁で、連中からは疎まれて、集まるべくして集まった四人なんだろうなと、勝手に物語まででっち上げちまう。
俺も卑しい人間だな。
きっとこれは死ぬまでついて回るやつだ。
自分の浮かない心情を、誰かにおっかぶせて紛らせてんだろうな。
ごめんなさいねと、心で彼女らに詫びといた。
しがない世の中だけど幸せになって欲しいと思った。
人のそういうのを勝手に値踏みして、俺は彼らよりよほど実りのない人生を続けてきた。

こないだ急に母親に、
「子供は無理して作らなくていいけど、あんたも良い伴侶はいた方がいいわよ」
と言われた。
何だよ急に。
「俺には無理だよ」
ほんと無茶な事言うなぁと口許を歪めた。
今更何の伏線もねぇのによ。
何もかも期待に添えなくて悪かったなと、母親の目を見ずに思った。
俺は自分の人生だって小バカにしてきちまったからな。
まぁ他にやりようがあったかっつうと、そりゃ甚だ疑問だけどな。
ついてなかったんだよ。
俺にはよくある話じゃねぇか。