・保護犬の返還と、譲渡推進について
<上原>
 神戸市で保護している所有者不明の迷い犬の返還率は、平成25年度(26年度12月現在も同じ)で14%。これは、政令市平均が49%であるのに対し、ダントツのワースト1の実績であり、10%台の返還率というのは、神戸市だけです。また、同じ昨年度で見ると、返還率の悪い自治体は、譲渡率も悪く、神戸市は48%、返還率ワースト2だった北九州市が45%と、20政令市の中でワースト2までだけが40%台となります。
この原因は、市民への周知不足にあるのではないかと思い、一つの周知方法であるインターネットのアクセス数に注目してみますと、保護台帳も譲渡犬猫ページも、年間2万件くらいのアクセスしかありません。分かりやすい様に私個人のブログと比較すると、たった10日分にしか相当しないアクセスの低さです。...
そこで、返還率や譲渡率が高い政令市のホームページを見てみると、熊本市(返還率52%、譲渡率72%)や川崎市(返還率58%、譲渡率89%)は市のトップページの新着情報に、「迷い猫を保護しました」「負傷猫を保護しました」「譲渡会を開催します」と出てきます。また、新着情報には出てこなくても、返還率69%、譲渡率90%の仙台市をはじめ、多くの自治体ホームページには「ペット」というボタンがあり、そこから1~2回のクリックで保護や譲渡情報にたどり着けます。
一方、神戸市の場合は、トップページに「ペット」という表記もなく、「くらしの情報総合メニュー」→「くらし・手続き」→「健康・医療・衛生」→「生活衛生」→「ペット(動物愛護・動物衛生)」と、4クリックでやっと「ペット」というワードが出てきて、それをクリックしてもなお、下の方にある募集情報というエリアを探さないと、求めている保護や譲渡の情報にはたどり着けません。ここまで根気強く探してくれる人は少ないでしょうし、「健康」や「生活衛生」というワードが、求めている「ペット」の情報に直結すると連想するのは難しいと思います。
そこで、くらしの情報総合メニューの後の「こんなときには」のページに、「ペット」のアイコンを置いて保護や譲渡ページへのアクセスをスムーズにすると共に、神戸市トップページの新着情報にも載せるべきです。また、動物管理センター独自のホームページも持つべきだと考えます。協力的な市民の力を借りれば、無料か数万円程度で魅力的なホームページの設置が可能と思われますが如何でしょうか?
また、神戸市の「動物管理センター」自体が、名前も場所も認知度も低いので、名称変更をトピックニュースとして取り上げ、広報KOBEへの掲載も含めて周知を図っては如何でしょうか?
27年度予算で、犬・猫各1棟ずつ、譲渡推進室をプレハブ建設するとお聞きしましたが、センターの認知度が低いままでは譲渡推進室をつくっても譲渡希望者が増えません。平成26年度は犬の譲渡率が大幅に上がっていますが、譲渡数に占める割合を見ると里親探しをしてくれる譲渡団体さんの引き取りが約8割を占め、一般への譲渡割合は、23%です。動物管理センターで保護した犬の一般譲渡率は 平成26年度12月現在で14%、前年までより、さらに低くなっているのです。このような現状から、飼い主への返還や個人への一般譲渡つまり新たな飼い主探しを促進するためにも、ペットが迷子になったらまずセンターへ、ペットを飼うときはセンターへという市民周知のための取り組みをすべきです。
<玉田副市長>
昨年度ホームページをリニューアルしたが、ご指摘の様に、トップページからは深いところにある。他都市を研究して使いやすいものにしたい
<上原>
今年度譲渡された犬・猫の最長保護期間は213日、平均で52日と聞いております。また、現在、譲渡対象として公開されている犬も、数カ月にわたり新たな飼い主が決まらない状態です。当然、早く譲渡出来た方が飼育費用は嵩みませんし、犬・猫にとっても安定した環境が得られます。市民への認知度を高める取り組みを全力でお願いします。