リアルタイムのお話ではありません。
過去に夫が起こした事故について書いています。
被害者やそのご家族を冒涜するものではありません。
加害者の妻が感じたことなどを綴っております。
ある事情で特殊な事案となっていますが
突然家族が事故を起こして途方に暮れている方へ
何かしら参考になればと思います。
一部不快な表現、直接的な言葉があります。
ご自身のご判断で読み進めてください。
苦手な方はお戻りください。
つづきです。
17時過ぎに上長から電話があり
「さきほど事情聴取が終わりましたので
ご主人をご自宅までお送りします」
とのことだった。
1時間過ぎても帰ってこないので
子供と外に出て散歩をしていると
上長の車がゆっくりと家の方に向かうのが見えたので急いで戻る。
夫は所在なさげな表情をしていた。
2人、車から降りて来る。
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
私が謝罪をすると
「奥さん、ご主人をよろしくお願いしますね。
今日は大変な状況だと思うので・・みていてあげてください
よろしくお願いします」
夫は上長に向かって
「責任を取って会社を辞めた方がいいと思うんですが
子供もまだ小さく家のローンもあるので
簡単に辞めるとは言えません。
しばらく会社には行けそうにありません・・
申し訳ありません」
所々泣き声になりながら言葉を絞り出している。
上長は
「今の部署で働き続けるのが難しいなら
別の仕事でもいいから
あなたは会社に必要な人材だよ
あなたたち家族を路頭に迷わせるようなことは
絶対にしませんから」
この言葉はしばらくの間
私たち夫婦を力づけるものとなった。
あくまで、しばらくの間である。
上長が帰ると
夫が崩れ落ちるように膝をつき
私に向かって土下座しかけたので
(人に見られたら何と思われるかわからない)
という気持ちもあり
「家に入りなよ」と少し声を荒げた。
それを見ていた子供は
「パパどうしたの」
心配そうだ。
何と言っていいのかわからないので
「パパ、会社でつらいことがあったのよ」
というと
「つらいことってなに?」という。
翌日も翌々日も
「つらいことって何だった?」
「今日はつらくなかった?」
子供なりに父親を心配していた。
子供が不憫で、申し訳ない気持ちだった。
つづきます