『ゴールデンウィークは栃木に行きます』と云うと、一様に『日光ですか?』と聴き返された。

『いやいや、栃木と云ってるじゃないか!』と心の中でつぶやきながら。

 

栃木市は、人気観光スポットではありませんが、文化庁の定める「重要伝統的建造物群保存地区」に選ばれた101のひとつ。木曾の妻籠宿、金沢の東山茶屋町や京都の美山町と並んで選ばれているレトロな街並みの残る町なのです。

 

栃木は、江戸時代には京都と日光を結ぶ、例幣使街道の宿場町として反映、更に巴波川による舟運で反映した北関東有数の商都だったのです。


廃藩置県の後、栃木の県庁所在地は、宇都宮ではなく栃木市でした。

しかし、僅か十年ほどで移転。これには県北エリアを栃木県に組み込むにあたり、栃木では北の外れになることや、宇都宮に陸軍施設があり、政治家たちの働きかけ等が理由として挙げられるのだそうです。

しかし、県庁所在地でなくなったことで、街並みが守られたのかも知れません。

 

浅草から東武特急スペーシアで向えば、都心からだと小1時間とアクセス良好。スタートは朝の10時頃です。栃木駅から地図に沿って、歩いてみましょう。

 

栃木駅から7分ほど、巴波川をわたると、聳え立つ片岡写真館。明治2年創業で、今も続く写真館です。

 

 

ゴールデンウィークの巴波川には千匹を超える、鯉のぼりが泳ぎ、賑わいます。乗り場は塚田歴史伝説館と隣り合っています。

遊覧船は大人700円、現地のシルバーエイジの方々が船頭さんとして活躍。20分ほどですが、お喋りも上手く、町の歴史なんかもお話してくれます。乗り場のお向かいに、甘味屋『菊家』もあります。

 

 

 

夏近し 巴波の空に 鯉千尾

 

お昼ご飯のお奨めは、地元の老舗うなぎ屋「かまや」が経営する、名物レストラン。「Always カマヤ」です。ここは大ヒット映画『Alwasy三丁目の夕日』の撮影で使われた建物で、昔の銀行なので、威風堂々、格調高い建物です。

 

 

この店の名物はレトロな建物に因んでの洋食「オムライス」なのですが、そもそも経営するのが鰻屋なので、櫃まぶしを戴きました。それも、鰻と栃木牛の2種類の櫃まぶし!

薬味をのせて、お出汁をかけて‥ とっても GOO ざんす。

 

 

 

 

栃木駅から続く蔵の町大通り沿いには、数多くの商家が見られますが、中でも特長的なのは、見世蔵(店蔵)です。蔵とは、倉庫な訳ですが、ここでは店舗として、看板建築的な見世物として使われているのです。

 

 

倭町交差点の付近は、ほとんど人気観光スポット・川越のレトロな街並みと何ら遜色のない、時代劇さながらの光景です。

 」

 

 

 

 

 

歴史ある栃木市には甘味処も充実。昭和17年創業、名代「志˝まんやき」は良質な粒あんのお焼き。テレビ東京の「アド街っく天国」など、テレビで何度も紹介されている名物です。

 

 

 

町見物に戻りましょう。

旧・市役所は、西欧風の見事な木造建築、必見です。

 

 

栃木病院も素敵な木造建築、左右の非対称に工夫の跡が見られます。

 

巴波川沿いに聳える、横山家は両替商と麻問屋を営んでいた豪商で、現在、内部を資料館として観覧できるようになっています。

 

 

さて、蔵の町大通りを、万町交番まで来ると脇道に入ります。すると、伝統的建築物群保存地区の嘉右衛門町にはいります。豪商・岡田嘉右衛門は550年も続く、名家で、4,000坪の土地を有し、栃木初の床屋、自販機などのレトロな品々を見ることができます。油伝味噌で田楽を食べようと思ったら、16:30で、ギリギリ間に合わず、残念!!

 

 

 

 

田楽を逃したので、「Cafe Bazzar」に立ち寄って、ひと休みです。ここは、ちょっとレトロな床屋さんを改築したカフェで、表から見るよりも、ずっと奥行きがあり、店内には面白いレトロ雑貨が溢れ、素敵な空間。とっても女子力の高いカフェ。

戴いたのは、なんと自家製のコーラ!スイーツ共々、味もGOO!

 

 

 

 

栃木駅をスタートして、歩き始めたのが、朝の10時前。色々と見ながら、巴波川の遊覧、ランチ、お茶、幾つかの歴史観を見ながら、新栃木駅に到着したのが、夕方17時でした。お天気に恵まれ、まだ、明るかったですが、東武の電車で帰路につきました。

 

(2017年5月訪問)