対談54『東京五輪で汚染水の問題視が悪から善に変わった』
鬱の宮高校の悲劇 番外編
対談54 『東京五輪で汚染水の問題視が悪から善に変わった』
七雲: 首相が東京五輪誘致のIOC総会で確約したことで、
「汚染水問題の解決」は事実上の国際公約となり、
そのためこの問題が突如人々やマスコミの口に上がり始めました。
ほぼ全員が「汚染水漏れは早く解決すべき」という意見のようで、
それはそれでとても結構なことです。
「汚染水漏れは早く解決すべき」……
当然と言えば当然すぎる意見ですが、
つい何ヶ月か前までは、そこらの一般人的には
誰も口にできない危険発言だったはずです。
緑子: そういう意味では、流れがここに来て変わった、と言えるかもしれん。
汚染水漏れ問題に限っては、じゃが。
七雲: 以前だったら、
「福島の汚染水を何とかしないと」
などと誰かがネットで言おうものなら、
「ようやく沈静化してきた風評被害を再び煽りたて、
福島の漁民を泣かす気かぁッ!」
とネトウヨ様御一行が大挙して絡んできそうでしたよね。
緑子: 汚染水解決に国家が全面に出ると宣言したことで、
汚染水問題を心配するという行為自体が、
「日本を弱体化させようとする非国民的行為」から
「東京五輪への障害を取り除こうとする愛国的行為」に
180度反転したんじゃよ。
IOC発言の前も後も、
まったく同じように汚染水はダダ漏れていたのにもかかわらず、じゃ。
まぁこれで汚染源である東京電力の尻に火が点いたのは事実じゃから、
結果的には歓迎する事態じゃがの。
しかし2年半もひたすら沈黙していた民草が、国が問題視した途端、
堰を切ったようにワーワー「汚染水! 汚染水!」と騒ぎ始めるのも、
見ていて微笑ましいというか情けないと言おうか。
七雲: まぁ謙虚で従順で協調性に富んでいる、と言えなくもありませんからね。
美点といえば美点かも。
緑子: 謙虚なのはいいが、
何が良くて何が悪いかくらい、時流を読まずに決められんもんかの。
