対談23『それがこの国の「科学」なんだよ』
鬱ノ宮高校 番外編Q&A
対談23 『それがこの国の「科学」なんだよ』
七雲: じゃあ、本題の給食についての質問です。
翼: おう、何でも来い。
七雲: 「内部被曝する可能性があるから危険」
そういう理由で自分だけ給食を拒否してお弁当持参、
というのは許されないんですよね?
翼: もちろんだ。
キチンと「冷静に科学的に対処」すれば、
そんな危険デマに影響されることはないハズだ。
デマに惑わされるのは自由ではない。
ただのワガママだ。
悪しき戦後教育の影響か、
自由とワガママを履き違えている日本人が
多すぎる。
緑子: 貴様が一番履き違えてるようにも見えるがの。
七雲: ええと、それでは次の質問です。
中韓を引き合いに出すと、
一部の日本人の目が近親憎悪的な感情で曇りまくるので、
別の国にしますね。
もし、現在ベラルーシで、
日本人学校の給食に現地の食材が使われていたら、どうしますか?
給食があれば、という仮定の話ですが。
翼: ああ?
そんな危なかっしいモン、わざわざ日本人が食わなくてもいいだろ。
何を食うか食わないかは、俺ら日本人が自由に判断させてもらおう。
もちろん弁当持参もOKだ。
緑子: …ちょっと待て。
自由はワガママなんじゃなかったのか。
翼: それは相手によるんだよ。
緑子: ……。
こう清々しいまでに非論理的だと、あきれて声もでんな。
七雲: ちなみに、右田クンはご存知ないでしょうが、
ベラルーシの食品基準は今の日本よりはるかに安全です。
つまり、この仮定で心配する必要は実はないんですよ。
翼: そうかい。 でもまぁ、んな他国のことなんか興味ね。
七雲: まとめますね。
(1)500ベクレルまでの日本食品は安全だが、
同じ数値でも外国食品は安全ではないので食べなくてよい。
(2)日本が太平洋に放射性物質を流すのはやむを得ないことであり、
採れた海産物も安全だが、
外国が同じことをするのは危険で許されない。
(3)日本人は日本では給食を一人残らず食べるべきだが、
外国においては危険を理由に食べなくてもよい。
…そういうことですよね?
翼: そうだ。
緑子: 断言かよ。
翼: ずいぶんとムカツく表現にはなるが、
骨子はそういうことで大筋合っている。
七雲: …放射性物質に国境はありません。
日本でも中韓でも、
499ベクレルの毒性に違いは全くありません。
ですが、日本のは安全で中韓のは危険、
ということですね。
翼: その通り。
七雲: それは「科学的」と呼んでいいのでしょうか?
翼: それが、この国の「科学」なんだよ。
今の原子力学会を見ればわかるだろが。
緑子: ……。
七雲: 給食に関して、もう一ついいですか?
翼: おう。
七雲: 日本政府も暫定基準値の見直しに着手する可能性があります。
もし500から、例えば100程度に安全基準が引き下げられたら、
499ベクレルの食品は食べますか?
翼: 食べない。
七雲: どうしてですか。
翼: 安全基準を超えてるから。
緑子: …あのな~。
七雲: 基準値見直し前、
つまり今は右田クンは499ベクレルは安全だと言ってますよね。
翼: ああ、言ってるよ。
七雲: 見直しの前も後も、毒性に違いはないんですよ。
それでも、国が安全と言えば安全で、
安全じゃないと言えばその瞬間から安全じゃなくなるのですね?
翼: そうだ。
七雲: それが、右田クンの言う「冷静で科学的な対処」なのですね?
翼: そうだ。
七雲: ……なるほど。
緑子: ああ~、わかったわかった。
コイツの言ってることが、
場当たり的で情緒的、
状況や相手によって態度や言い分がコロコロ変わる、
科学と呼んだら科学のほうが赤面して逃げ出すくらい、
胡散臭い我田引水なシロモノだ、
ということはよぉくわかった。
翼: フフン。 俺は愛国者ってとこは一貫してるぜ。
緑子: この美しい国土を汚して平然としてるような輩を、愛国者とは呼ばん。
…ところで、私からも、一つだけ質問させてもらおう。
翼: ああ? なんだよ。
緑子: 大事なコトだからよぉく考えて答えろよ。
翼: だからなんだよ。
緑子: 現行の暫定基準値内の食品を、皇室にも献上すべきと思うか?
翼: ……。
緑子: どうなんだ。答えよ。
翼: …思わない。
緑子: 安全なんだろ? なのに献上はしないと申すか。
翼: そうだ。
緑子: 安全じゃないってことか?
翼: それ以上はノーコメントだ。
七雲: ………続きます!



