対談14『議論を深めずに論点をズラしていく』
鬱ノ宮高校 番外編Q&A
対談14 『議論を深めずに論点をズラしていく』
七雲: 話を戻します。
反対は良くないと非難している人たちが、
実は雨中マラソンの不健康性を
心の底では認識してるわけですから、
話はややこしくなります。
緑子: 原発もその構図はほぼ一緒じゃな。
七雲: 本来なら、反対派を論破するには、
「雨中マラソンは体に良い」ことを立証するのが本筋です。
そうして初めて論点が明確にかみ合い、
議論は有意義なものになります。
それができないゆえ、反対派への非難は、
不自然で矛盾に満ちた ものになります。
緑子: ま、そりゃそうじゃろうな。
両方ともが 雨中マラソンは体に良くない
と思っておるのじゃからな。
まったく滑稽な話じゃ。
七雲: 原発の問題もしかりです。
緑子: そう。 脱原発を非難したいなら、まず原発の安全性を立証するべきなんじゃ。
じゃが、こと、ここに及んでは、原発が100%安全でクリーンなどと信じてる連中は
今までの考察どおり、1割以下、いや、ほんの数%しかおるまいて。
つまりクレーマーは、本人も自覚するその原発危険論に至らぬよう、
議論を深めずに常に論点をズラしていくしかない。
翼: だからいーんだよ。 そんな理屈なんかどうだって。
七雲: そしてその場合、論点をズラすのに一番簡単な方法が、
「デマ言うんじゃねえバーカ」という趣旨の発言を繰り返すことです。
具体的内容には深入りしません。
例えて言うとこんな感じです。
脱原発派「Aは危険だ」 クレーマー「デマ言うな」
脱原発派「Bは危険だ」 クレーマー「デマ言うな」
脱原発派「Cは危険だ」 クレーマー「デマ言うな」
クレーマーさんは「Aは危険ではなく安全だ」とはまず言いません。
ひたすら打ち消すだけ。
翼: なんだよABCって。
七雲: 何でもいいんですよ。
「Aホーレン草・B新茶・C牛肉」でもいいですし、
「A10キロ圏内・B20キロ圏内・Cホットスポット」でもいいです。
緑子: なるほど。
「A1ミリシーベルト・B100ミリシーベルト・C250ミリシーベルト」
でもオッケーじゃな。
七雲: はい。
このデリケートな問題に具体的に言及しない傾向は、
クレーマーさんのみならず、
8割を占める付和雷同派に共通の特徴です。
翼: ? …どーいうこった?
緑子: 七雲、具体的に。
七雲: 例えばこんな感じです。
政府「Aは安全だ」 付和雷同派「政府を信じるしかない」
政府「Bは安全だ」 付和雷同派「政府を信じるしかない」
政府「Cは安全だ」 付和雷同派「政府を信じるしかない」
ABCは先ほどの例をご参照ください。
この際、
「私の長年の経験から言っても、Aの安全性はまず間違いないと思う」
などと余計な付け足しはしません。
その名の通り、付和雷同するだけです。
緑子: おお、七雲もいつになく過激じゃの。
翼: だーかーらー。何度も言ってんだろ。
そんな瑣末な言葉の内容じゃなくて、従う態度が大事なんだって。
七雲: こうやって、具体的な内容を決して口にしないのは、
ただの偶然や口下手なのではなく、
実はとても意味があることだったのです。
それは付和雷同派さんたちの、
2000年に及ぶ英知の結晶と呼んでもいいくらいです。
緑子: むむ? なんじゃろう。
七雲: それが、雷同派がダメな3つめの理由になります。
「なぜ彼らが失敗から何も学ばないか」
緑子: …続くじょ!


