付き合い初めは今思い返して見てもバカなカップルでした。
IWA・JAPANプロレスの事務所勤務が終わる18時に退社。
速攻、新宿駅東口にあるパチンコ屋に駆け込み一発勝負。
勝てば、儲けもので新宿に彼女とお泊まり。
負ければ新宿で彼女と一杯飲んで解散。
こんな感じでお付き合いをしていました。
デートは専ら新宿のアイマックスシアターで映画鑑賞からの居酒屋。
一二ヵ月続くと流石に『同棲した方が金銭的にも楽じゃない?』
という思いが芽生え、同棲を視野に考え始めます。
佐藤淳一の給料17万円(IWA)。
彼女の給料8万円(クロネコヤマト)。
無謀な同棲生活が始まります。
探した物件は、IWA事務所から徒歩圏内の新宿駅にスムーズに行ける場所。
埼京線の通勤快速や武蔵野線が停車する『武蔵浦和駅』に的を絞って探します。
駅から徒歩15分。3LDK。家賃7万円の物件をセレクト。
8月引っ越しをメドに計画をします。
この同棲生活には祖父が大反対。
祖父「長男が家を出るとは何事だ!!」
と毎日顔を合わせる度に説教。
淳一「じじいのくせにウルセーな!!」
と聞く耳を持たず。
引っ越し当日の朝に祖父に呼ばれ、同棲生活の厳しさをネチネチと語られ、内心うんざり…。
最後は、
祖父「色々と大変だから…。」
と封筒に入った100万円を差し出されるも、
淳一『説教せずにさっさとよこせばいいのに…。』
と感謝もせずに鷲掴むように100万円を奪取。
祖父の偉大さを解るようになるのは祖父が死んでからのこと。
当時は、『100万円もらってラッキー』
くらいしか思っていませんでした。
引っ越しは、パンチョ軽部レフェリーの運転する2トン車でスムーズに進行。
祖父からの100万円は、生活道具一式と外食や娯楽費にあっという間に消えます。
馴れ親しんだ横浜市を離れ埼玉県で無謀な同棲生活を始めます。
淳一20歳。
彼女24歳。