全日本女子プロレス JR大船駅特設リング大会 その3 | 佐藤淳一レフェリーブログ “きれいな水で泳ぐも人生。 汚れた水で泳ぐも人生。”

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2017年11月23日にプロレスレフェリーを引退しました。
現役時代は、沢山の方に支えられ、そして応援していただきありがとうございました。

前回の続きです。

玉田りえ選手が走って追いかけましたが、
見失った男性。

淳一少年は、『タダ見客』の注意係りとして上から会場を見下ろす位置にいましたので、男性が逃げて何事もなく座った場所を把握していました。

つい、数十分前に酔っぱらいに絡まれ、
怒鳴られて嫌な思いをしていましたので、
また、揉め事になるのことを懸念して、



男性の居場所を言おうか?
言うまいか?




何度も何度も葛藤します。



すると、川満くんが『タダ見客』の注意係りの交代に来ました。

川満くんに事の顛末をはなし、玉田選手に男性客の居場所を教える決意をします。

淳一少年「玉田選手。先ほど追いかけていた男性客の居場所わかります!!」

玉田選手「どこ?ちょっと待ってて。」

と言って選手バスの方へ向かいます。

玉田選手は前川久美子選手と戻って来て、
3人で男性客の元へ向かいます。

この時は、まだ男性客が何をやったか聞かされていませんでしたが、2選手とも殺気に満ちた表情をしていたのを憶えています。

男性客の前に案内すると、2選手は、一言二言男性客に話、男性客の両腕を抱え会場外に連れて行きました。

前川選手から

「逃げたりしたら困るから後ろから男性のベルトをしっかり持つように。」

と言われ、力強くベルトを持ちました。



余談ですが、20代半ばに埼京線で痴漢を捕まえた時も、あの当時、前川選手の教えの通り、後ろからベルトを持って駅員に引き渡しました。


3人で男性客を連れていった場所は入場券を販売する隣のテント。


テントの中にいた人物は……。











アジャ・コング選手!!





男性客はアジャ・コング選手を前に直立不動。
後ろから見ても完全に固まっているのが分かりました。

アジャ選手「入場してくる選手の胸を触っただろ?」

男性客に問いただします。

男性客は蚊の鳴くような声で

「はい」

その後、数分してから、アジャ選手にこっぴどく叱られた男性客がテントから出てきました。

男性客は、「すみません。」

と一言だけ発して会場を後に。

後から前川選手の話を聞くと地方会場では頻繁にあることたがら…。

とおっしゃっていました。

当時は、トラブルを起こした客の対応は
アジャ・コング選手が全て引き受けて対応していた気がします。

この一件の後から、僕らリングスタッフの警備も入場時には気を引き締めました。