フジ子・ヘミング。

他にはないピアノで、聞くたびに胸を締め付けられます。


僕はどちらかと言うと「うまい演奏」を期待する性質で、

フジ子・ヘミングのようなミスの目立つ演奏は評価しないのですが、

(たとえ耳が悪いとしても、人に聞かせる以上それは言い訳にできない)


彼女が他人の干渉を受けずに一人の殻の中で強固に作り上げてきた

独自の世界は、意外なほど素直に僕の耳に浸透して泣かせるんです。


彼女の不幸な経歴を知らなくても、ピアノなんか普段聞かない人でも、

音楽しか知らない彼女が奏でる一音一音が持つ悲哀と

音楽へのどうしようもない愛情を感じない人はいないでしょう。


これが「音楽鑑賞(批評)を超えた」「音楽の力」なんでしょうか。


尤も、僕は多分に「感傷的」な人間ですが。


ただの西川ヘレン似のおばちゃんじゃないな。

毎度泣かせやがって。ぐすん。