両家とも諸手を上げて、万々歳で結婚を祝ってもらえる方が駆け落ち同然で結ばれるよりも良いに決まっている。

打合せのホテルなどで結婚式に出くわせば、幸せそうなカップルを囲んだ両家の様子を見てこちらも気持ちが穏やかになる。


自分にとってリスキーな将来が予測されるパートナーとの結婚は、当然のことながら、親や親族や友人達が反対するケースは、今でもあると思う。


勿論リスキーという意味は、酒や暴力、働かない、借金などという、自分の意思をしっかりと持てば改善される様な問題を指すのではなく、自分の意思とは関係なく、運命によって環境があまり良くない方向に流れていってしまうという意味だ。


分かり辛いと思うので、私の友人の話をさせてもらうことにしよう。


彼は、世界中を又にかけて活躍するエンジニア、ところが1年単位で様々な国に赴任を繰り返すうちに、結婚がすっかり遅れていた。


ところがある日、南国の現場で真っ黒に日焼けした顔に満面の笑みを浮かべて、私の診察室に入ってくると・・・

「志摩先生、結婚が決まりました」と言うではないか・・


勿論、心から喜び、お祝いの言葉を述べた私に、彼は思いがけない言葉を発した。


「先生、いつか妻は先生にお世話になる日が来ると思います。その時にもし僕が海外赴任中だったら、助けてやって欲しい。」


僕は、何がなんだか分からなかったが、お祝いムードを壊すのもはばかられ「わかった!分かった!」と言って握手して彼を送り出したのを覚えている。


それから10年後・・・


突然の国際電話で起こされた私、「先生、妻が大変なことになりました、すぐには現地を離れられませんので、助けて下さい。」


寝ぼけ眼で、彼に言われるがまま、彼の家を訪ねると反応が無い。。。


何かあったのか?と玄関のドアをひねると鍵はかかっていなかった。


「お邪魔するよ」と家の中に入っていくと、中はひどく色々なものが散乱している。


部屋の片隅で、布団にも入らずに眠っていた5歳になる彼の長男。


起こすのは可哀想だと一瞬思ったが・・・身体にそっとふれると、すぐに身体を起こしてくれた。


「ママは?」と聞くと、「ママはどこかに出て行ったよ」


「何があったの?」


「ママね、お金を沢山持っているの。でもみんなにそれをあげちゃうんだよ。」


「また、みんなにあげるって言って出て行った」


彼女は、完全に精神を侵された状態だった、ホルモンバランスを崩す事による躁鬱状態。

妊娠によるものだった。



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このお話を書いた理由


私は医師という仕事を通して、多くのご夫婦やカップルに、互いの肉体を寄り添える時間は、もう限られている事を伝えてきました。

「もっと早いうちに、きちんと2人の気持ちを向き合わせておくべきだった」どの方もそうお話され、行過ぎてしまった時間を恨めしく思い返します。

どうか皆さんも、「明日でも出来る」と言わずに、今、この時を無駄にしないようにパートナーと向き合う事で、心の絆を強くしていって下さい。






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