「わぁ〜〜・・・やっぱり、ハワイだぁ〜♪」
「あ、気をつけろよ…」
「大丈夫〜・・・♪」
朝食を食べた後、早速やって来たビーチ…
椰子の木が並ぶ白い砂浜に
キラキラと光る海…
旅行の楽しみの一つの海で、すっかりテンションがあがった彼女は、このまま海に飛び込んでしまうんじゃないか?…と言う勢いで波に向かって走って行った
砂に足をとられて転ぶんじゃないかと心配しつつ、パラソルを開き、レジャーシートを敷いて荷物を置くと、彼女がサンダルを両手にブラブラさせながら戻って来た
「気持ちよかった〜♪早く泳ぎに行こう♪」
「あれ?…かずは泳げるの?」
「…えっ…と、泳ぐって言うか……浸かる?」
「ハハハ…それじゃあお風呂だよ…」
「ぷっ♡…ホントだわ
じゃあ…早速………でっかいお風呂に入ろ〜♪」
彼女は、吹き出して笑い、海に向かってキャミソールを脱ぎだした
裾をたくし上げると、素肌が剥き出しに…
(えっ!?…まさか……)
「かず!…ビキニはダメだって言ったのに…」
白い背中に、肩からの細い紐がクロスして脇へ行き戻って中心で結ばれている
明らかに下のパンツとは繋がっていない!
「あ、コレ、ビキニじやないから…」
彼女は、振り返って言うと、“ほら♪”と言うようにクルッと回転して前を見せながら、ショートパンツも脱いでしまった
すると、前の方は、ウエストのところが大きくカットされてるけど上下は繋がってる
「た、確かに・・・ワンピース………」
「……まぁ、このへんはちょっと…大胆かな?って思ったけど…」
と、大きくカットされたウエストのラインを撫でながら照れ笑いを浮かべた
「ん…… ちょっとだけね……
でも、すごく…似合ってる…………」
大胆のレベルは…自分の想像よりは大分低いけど
想像以上に眩しいレベルに似合っていて、心配レベルは最初からずっと同じだ…
(心配しすぎか?…)
と、周りをよく見たら、際どい水着は他にもいっぱいいる…
彼女はまだ大人しい方なのかも・・・
それでもやはり、心配になるのは “他のやつには見せたく無い” …って言う俺のエゴなのか?
(俺……どんだけ かず の事、好きなんだ?)
この旅で、時間が経つ毎に、”好き“が蓄積されていってる気がする…
「…さん……。……准一さん!」
「…っあ、何?」
「もぉ〜さっきから、ジッと見たり、周りをキョロキョロしたり、俯いたり……」
「アハハ…ゴメン♪……
取り敢えず、海入ろ!」
笑って誤魔化しながら、Tシャツを脱いで、彼女の手をにぎろうとすると、逆に何かを握らされた
「その前に、コレ…お願い。」
彼女は、日焼け止めを手渡し背中を向けた
ポニーテールにした髪を避けながら
首筋から肩……背中のリポンの下に手を滑らせ
日焼け止めクリームを、まんべんなく塗った
彼女の素肌にクリームを塗る行為…
若干のエロい妄想を……しない訳は無い!
でも、この白い裸が焼けて真っ赤になって火傷のようになってしまったら可哀想だと思う方が大きかった
「ありがとう♡…今度は准一さんも…」
そう言って俺の手のひらにクリームを2cm程出して、その一部を指で掬い俺の鼻の頭に着けて背中に回った
(顔に塗ったくれ…って事か?)
鏡が無くて見えないけど、取り敢えず顔全体に塗った
余ったクリームをどうしよう?と思ったタイミングで彼女の声が…
「首と胸もちゃんと塗ってね…」
「あのさ…俺は男だから、焼けたって平気だから…」
「ダメ…今頃、准一さんは何処に要る事になってるの?」
(あ、………大阪…)
「大阪でも、外で遊べは日焼けはするだろ?」
「甘い!…大阪は、今は梅雨時よ…真っ黒に日焼けしてたら可笑しいでしょ?」
「…なるほど…」
彼女の細かい配慮に関心しながら、首と胸に、日焼け止めクリームを丁寧に塗った。