親睦会のあの出来事が、互いの気持ちを確かめ合う良い機会となり、より深く“和”の事を思うようになった。



年が5つも下だと自分に自信が持てなくて、でもとても可愛くて、こうやって見ているだけで、幸せな気持ちが溢れてくる………



(ん~幸せだなぁ…僕は君と居るときが一番幸せなんだ……)



何て、古い歌の台詞が思いうかんでくるあたり…

俺………やっぱり重症か?……









「…さん!………准一さん……」


「ん……何?」




「…何ニヤニヤしてるの?………

あ!もしかして、私の顔…何かついてる?」



彼女は、慌てて自分の右頬を触るから、俺は、その逆の左の頬に手を伸ばした…





「ほら、ここに……………って、ウソ〜♡」




「もぉ~からかわないでっ!」




「(クククッ)…だって、面白いから……」




そう…面白いってのも嘘

触れたかっただけだ


また、そうやってふくれた顔も可愛いからツイからかいたくなる。


 


そんな俺とかずは“久しぶりに外食しよう”と、郊外の小さなレストランで、小さなテーブルを挟み食事と会話を 楽しんでいるところだった……





「そう言えば、もうすぐGWだね…どっか、旅行に行こうか?」



「えっ⁉…旅行って二人で?」


「もちろん♡」



俺がそう言った瞬間満面の笑みを浮かべ
身を乗り出し


「行く、いく〜♡いきた~い」


と甘えた声ではしゃぐ



(行く、イク?…ちょっと待て!そんな顔でそんな声で、その言葉を言うな)




やっぱり俺は、相当なスケベなのか?
頭の中にはアノ時のかずの声と顔が浮かんでしまった




「准一さん……どうしたの?
真っ赤になって…」



「ん、あ…ちょっと、熱いね……
お酒の……せいかも……」



と、誤魔化したけど、彼女は疑うように覗き込み暫く見つめ合うと、互いに吹き出して笑った



笑いが落ち着き、改めてGWは何処に行くか?と話し始めたところで、何処も凄く混んでいるだろうし、せっかくだから泊まりで…と思いつくも、今からじゃホテルの予約もままならないだろう……

と言う訳で、思い切って時期をずらそうと言う事になった



その場で検索すると、6月のハワイは梅雨の日本とは逆に ハワイでは1年で一番降水量が少なくて、観光にもマリンスポーツにも一番適しているらしい。



「かず………」


「何?」



彼女は、自らもスマホで検索をしながら視線を上げずに返事をした



「パスポート、持ってる?」




「うん、持ってるよ………えっ⁉海外行くの?」



「そ、ハワイ♬」



調べた結果を説明すると、彼女も納得してくれた。しかし、問題が発生!



休みの問題だ!

時期的に忙しくは無いが、彼女と俺…同時に休みを取ったら勘ぐられるだろう……


そこで、申請を出すタイミング休暇の日にちを一日ずらしにする事にした


女性は仕度に時間がかかるだろうから、彼女は先に、一日多く取ることに………



理由は、「プライベートだから」と一言で片付くと思うけど、彼女は………




「それで、かずは、理由は何て言うの」


「友達に会いに行く…とか……」


「そっか…家族を病気にするよりずっと良いよね」



「あ、嘘じゃ無いよ!
本当にハワイに友達居るから、ちょっとだけ会えたらいいなぁ……って………」




「よし!じゃあそれで決まり!
しっかり時間取って友達にも会ってくればいい。」





そんなこんなで、会社にもそれぞれ届け出て、部署では案の定「どうして同じ時期なの?」と怪しまれたが、俺は“プライベートで大阪の実家へ”と、特に理由を言わず、彼女は“友達に会いにハワイへ…”と告げると、みんな納得した様子だった。












5月の半ば


少しだけ雑用が有り会社に残ってデスクに向っていると
傍らに置いたスマホに彼女からのLINEの通知が表示された





〔どっちがイイ?〕


(どっちがイイ?…って何?)

と、思う間もなく写真が送られてきた



(えっ⁉……水着じゃないか!!…)



(どっちがイイ?……って…ビキニ……は絶対ダメだ!
ショートパンツ型のも、結構露出有るし……
でも、どっちも凄く似合ってるし…)





〔どっちもイイけど、どっちもダメ!〕




結局、子供みたいに分けのわからん事を言ってしまった





要は、俺的には、彼女のビキニ姿とか見たい!
でも、ビーチで他の男に見せたくは無いのだ!



男って、我儘だ。