❏始まっていた大学改革の助走
大学をウォッチングした結果、端的に言うと「変えられるところから変えていく」だった。改革しやすい、一つの歴史の浅い学科や学部、コースで実験的に試行していく感触が認められた。つまり既存の枠を温存しながら手直しをしていく傾向が見て取れた。今年度は、新設学科やコースが目についてきた。いずれにしても、大学がホンキで変わろうとしている息吹を感じる。
↑岡山大学のマッチングプログラム(MP)コース
岡山大学には、現行マッチングプログラム(MP)コースが2006年に立ち上がり、早期から入試を「選抜」から志願者と教授陣との「適合」性を重視してきたことが伺い知れる。履歴を辿ると、発足2年後の2008年には現行プログラムの原型が完成していたので今日に見る教育改革の潮流を鑑みると、優れた先進性が評価できると思う。その趣旨は、第一に入学時のミスマッチを解消し、入学後は一人ひとりのニーズに応じ将来設計ができるように初年度からゼミ中心の少人数教育を施し、教育プログラムを自分で組み立てていくコースであると言う。2日にわたる入試も工夫してあり、受験生が「受けていて楽しかった」と回想していることから試験そのものに「人の成長を促す」仕掛けがあったことが偲ばれる。
❏大学改革に対して高校改革はどう対応する?
さ来年(2018年度)からは岡山大学のMPコースも「グローバルディスカバリープログラム」と名称を変え、「スーパーグローバル大学創生支援事業」のグローバル化牽引型(タイプB)として再出発することがアナウンスされている。新プログラムでは、帰国生や留学生と一緒に、英語を媒体言語として学ぶスタイルが重視されている。いわば、国内にいて留学が実現するプログラムとも言えるし、英語媒体で学問をするとも言える。確かに、このスキームが文科省が求めている「高等教育」の理想像なのだろう。
当該プログラムが成功するには、留学生や帰国生を呼び込み、日本人学生が英語媒体で大学教育を受けられる状態に環境整備しておくことが大前提となる。スーパーグローバルハイスクールや国際バカロレア(IB)校の普及が順調に進行しておくことが必要不可欠であろう。既に助走として上記のMPコースが進行中であるので懸念しても杞憂であるかも知れないが、この移行をスムースに成功させていくためには留学生やIBプログラム修了者はともかく日本の高校卒業者を十分に世界標準の高等教育の場に耐えるよう鍛えて置かなければならないであろう。私は進んだ大学教育が日本の高校に何を求めてくるのかを知りたく思う。私には要求に応えていく体制にあるからだ。活かせないことこそ、斬鬼に耐えない(竹内)。
追記:ここで私が大阪校・スーパーサイエンスコースで提供できる教育水準について棚卸ししておく: 1)生徒のニーズを個別に聴取し、把握することができる、2)生徒個人に適合した探究学習をイニシエーションできる、3)汎用性を高める実験モジュール化が進行中、4)商業雑誌に研究成果を論文投稿する作業を進めている、そして最終的に私の手で指導が可能な領域は、5)海外の学術雑誌に英語で研究成果を論文投稿させることができる。さらに、必要に応じて英語で発表したり質疑応答する訓練まで視野に据えている。基本的に都庁職員、JICA専門家、英国経済移民(Highly Skilled Migrant Programme)、高専教授として、すべて経験してきたことを踏まえての見積もりである。ネックは、高校生の意識改革かも知れない。余りにも偏差値信仰に毒されてきたと思う。先ず「お祓い」から始めているのが正直な話だ。
