本日、スーパーサイエンスコース及び環境保全クラブで、合同の「臨海実習」を開催しました。

・・と言っても大阪湾海岸生物研究会(大阪府高校生物教育研究会の部会)に相乗りした形式です。海洋生物学を専攻する高校教員の他、大阪市立自然史博物館から専門家も参加する、またとない機会でした。雨模様も予想されていましたが、雨に振られることもなく、強い日差しに晒されることもなく、この時期にしてはベストなコンディションで実施することができました。

場所は、岬公園からコミュニティーバスに乗り、谷川で下車。そこから徒歩で豊国崎へ向いました。付近の崖が風化が進んでいて、落石があります。それが波に洗われて、「ゴロタ海岸」が形成されています。ゴロタが海岸生物の多様性を増すのに寄与するのは、石と石の間に適当な隙間が作られて、隠れ場所など棲み場所(ニッチ)の多様性ができるからです。

生き物を採集する側でも、手でひっくり返せる重さの石が大半なので、容易に裏側を観察することができるのです。隠れているカニなどを見つけ出すことができます。

私の狙い目は、学生時代に館山(千葉県)で行った「臨海実習」で初めて見たヒラムシ(扁形動物)との再会でした。それは直ぐ、実現しました。同行した信宮純さんがいとも簡単に見つけ出してくれたからです。・・と言うものの、その後は見つからなかったので実にラッキーだったと言う他ありません。

その他、大阪市立自然史博物館の山西元館長が、ゴロタの石の下にある砂層に棲む、風変わりな生き物を黙々と一人で探し出し、親切にも見せて説明して下さいました。集めた生物は一部はホルマリンで固定標本とし、一部は生きたまま持ち帰る必要があるそうです。


 ↑ 黙々と採集する山西良平元館長

そうです。私が高校生たちに見せたかったのは、海岸生物だけでなく、他校の高校生と教員、博物館の学芸員の方たち、いわゆる「生物屋」の行動や気質も含まれていました。社会の中で、誰に頼まれた訳でもなく、自分の好きなことをして生計を立てている人たちが「生物屋」だとも言えます。

不思議なことですが、担当する科目、専門とする対象、所属する組織など、いろいろな属性に応じて人間の気質は決まってきます。無論、個人差もありますが、総体として専門分野ごとにある程度、括れるような共通点が見られるものです。

概して生物学者には、損得勘定のない純朴な気質の人たちが多い気がします。皇室や旧貴族から生物学者が輩出されたことを無関係ではないかも知れません。あるいは、自分の好きなことだけして生計を立て「させてもらっている」という有り難い感謝から、遠慮がちな気質が形成されるのかも知れません。このような専門分野と気質との因果関係は余り話題になったことがありませんが、私はこう解釈しています(これが妥当か否かの判断は、読者の皆さまにお願いします)。

ともかく私の狙いは、「生物」だけを見せるのではなく、「生物」を研究する「生物学者」も見せておいてあげたい・・という気持ちがありました。その意図は、達成できました(竹内)。