偶然のことからミズムシ(余りにも気の毒な名がつけられたので、学名をカタカナ書きしてアセラスで呼んであげたい)を理科室で飼育しています。
プラナリアを捕まえに行った水路から持ち帰った試料に混じってきたのが事の始まりでした。バットに移し時々、水を交換をしていたら勝手に増えてきました。特段、生物教材として脚光を浴びたことのない地味な生き物です。プラナリアのように1冊の本に書かれるようなこともなく、テレビ番組に登場してくることもありません。水中生物グループを48種類集めて”SSG48”を結成し、人気投票しても上位に食い込むことは、まずないでしょう。
簡単に飼育できる・・ということは繁殖も容易だし、同じ系統(川西市で採集した「川西系」)をずっと維持できることになります。これを生物の研究材料にしない理由はありません。
問題はエサです。採集した試料の中に現地の水路に落ちて朽ち果てた落葉が含まれました。河脇凌くんと日々、観察していくと落葉がどんどん噛み砕かれていき、沈殿物の粒径がどんどん小さくなっていく様子が目に見えて分かります。以前はタテ長の飼育瓶で飼育していたため、この噛み砕かれていく様子はハッキリと確認できませんでした。
全ての落葉を全て食べ尽くしてしまった時の問題を、いよいよ気に掛けるようになりました。朽ち果てた落葉が、大阪校のある都心の梅田で見つけることはできません。そこで急きょ、代用のエサを考えました。手近な場所にあったのが、ゾウリムシを飼育する時に使う藁です。
藁の煮汁でゾウリムシを育てます。正確に言えば、藁の煮汁を栄養分にし、藁に付着している枯草菌という納豆菌の仲間が増えると、それをゾウリムシがエサにして食べます。この古くなった培養液に浸された藁だったら、ミズムシのエサである落葉の代用になるかも知れないと考えたのです。
お茶がらのような使用済み藁を水に浸すと、まだ茶色い栄養分が溶け出しました。繰り返し水を換え、もう色が染み出さない程度まで洗った藁をエサにすることにしました。ミズムシの生息環境を見ると流れがあり、落葉の栄養は既に溶け出した後であり、純粋に落葉の固形分(繊維)を食べているように見えたからです。
かくしてミズムシを系統維持していくため、エサを理科室で使い回ししていくことにしました。このようにして、生物学の新しい実験材料と、その飼育方法を決めていく作業が始まりました。実は私自身、こうやって生物教材を「一から決めていく」操作は初めて体験することです。何をもたらしてくれるのか分かりません。こうしてミズムシが系統維持される理科室になりました。

左:現場落葉、右:藁残渣(矢印がミズムシ)
プラナリアを捕まえに行った水路から持ち帰った試料に混じってきたのが事の始まりでした。バットに移し時々、水を交換をしていたら勝手に増えてきました。特段、生物教材として脚光を浴びたことのない地味な生き物です。プラナリアのように1冊の本に書かれるようなこともなく、テレビ番組に登場してくることもありません。水中生物グループを48種類集めて”SSG48”を結成し、人気投票しても上位に食い込むことは、まずないでしょう。
簡単に飼育できる・・ということは繁殖も容易だし、同じ系統(川西市で採集した「川西系」)をずっと維持できることになります。これを生物の研究材料にしない理由はありません。
問題はエサです。採集した試料の中に現地の水路に落ちて朽ち果てた落葉が含まれました。河脇凌くんと日々、観察していくと落葉がどんどん噛み砕かれていき、沈殿物の粒径がどんどん小さくなっていく様子が目に見えて分かります。以前はタテ長の飼育瓶で飼育していたため、この噛み砕かれていく様子はハッキリと確認できませんでした。
全ての落葉を全て食べ尽くしてしまった時の問題を、いよいよ気に掛けるようになりました。朽ち果てた落葉が、大阪校のある都心の梅田で見つけることはできません。そこで急きょ、代用のエサを考えました。手近な場所にあったのが、ゾウリムシを飼育する時に使う藁です。
藁の煮汁でゾウリムシを育てます。正確に言えば、藁の煮汁を栄養分にし、藁に付着している枯草菌という納豆菌の仲間が増えると、それをゾウリムシがエサにして食べます。この古くなった培養液に浸された藁だったら、ミズムシのエサである落葉の代用になるかも知れないと考えたのです。
お茶がらのような使用済み藁を水に浸すと、まだ茶色い栄養分が溶け出しました。繰り返し水を換え、もう色が染み出さない程度まで洗った藁をエサにすることにしました。ミズムシの生息環境を見ると流れがあり、落葉の栄養は既に溶け出した後であり、純粋に落葉の固形分(繊維)を食べているように見えたからです。
かくしてミズムシを系統維持していくため、エサを理科室で使い回ししていくことにしました。このようにして、生物学の新しい実験材料と、その飼育方法を決めていく作業が始まりました。実は私自身、こうやって生物教材を「一から決めていく」操作は初めて体験することです。何をもたらしてくれるのか分かりません。こうしてミズムシが系統維持される理科室になりました。

左:現場落葉、右:藁残渣(矢印がミズムシ)