逞しい腕の中、彼の温もりが私にうつってくる

 

 

「○○は本読んでると、キャスティングとかしちゃうの?」

 

 

「しないよ。准君だけ」

 

 

いろんな本が好き

 

 

マンガも小説も、興味があるって思えたら読みたくなる

 

 

「俺だけか~」

 

 

抱きしめてる私の右肩に顎を乗せ、んふふって笑う

 

 

「読んでてね、あ、これ准君だったらなって思うことがあるんだ」

 

 

もうちょっと年齢がいってからとか、若かったらっていうのも多いけど

 

 

「俺のこと・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・好きだよ」

 

 

好き?って聞いてくると思ったから、先に言ってみた

 

 

視線だけで横を見たら、真赤に染まる耳の端が見えて

 

 

付き合って何年もたつし、好きって数えきれないぐらい言ってるのに赤くなる

 

 

そんな彼に、私の胸はきゅきゅきゅ~っと鳴った

 

 

その音を聞かれてしまいそうな気がして、

 

 

このまま彼の匂いに溺れてしまいたい気がして

 

 

そんな気持ちを振り払うように話題を変える

 

 

「スプラッタとかホラ-とかは苦手だから読まないし」

 

 

私を抱きしめる彼の腕に、少し力が入った

 

 

「結末が嫌な感じなのは読まないんだけどね」

 

 

私は私の時間を本を読むということに使う時、それは幸せな気持ちにならないと損した気分になってしまう

 

 

だから

 

 

「すっごくあったかいスト-リ-の作品に出てほしいな」

 

 

って言ってしまった

 

 

まさかこの時、もう散り椿の次の作品が決まってるとは思わずに・・・。

 

 

 

終わり

 

 

そして続く~(笑)